【R18】【ごちゃまぜ裏夢✿短編集】今夜はOKかもしれない。
第31章 名探偵コナン✿服部平次「先生へ」
「───…」
先生の真剣な眼差し。
言葉がぐっと、胸の奥深くまで突き刺さる。
…そう遠くない未来…
一緒に…
先生の言葉の意味が理解に追い付かなくて、喜んでいいのか、どうして良いのか分からなくなって、全然悲しくなんてないのに訳も分からずポロポロと涙が出てきてしまった。
「ぅぅぅ、ひっく…ぅぅ~…」
「…」
叶わない恋と思っていたのに告白された。
自分から勇気を出すことができなくって、先生の立場も分かっていたから、先生にはもっと相応しい人がいるって諦めていたのに、大好きな想いを寄せる先生から告白されて、感情がコントロールできなくなって無性に涙が溢れてきた。
先生は落ち着くまで背中を擦ってくれて、ティッシュとハンカチを手渡してくれる。
「…大丈夫か…?」
「す……すみません…。あの、違くて……その…ぅぅ」
「…あぁ。落ち着いたら話してくれていいから」
「はい…。すみません…」
涙をすすって外の景色に視線を投げると、ちょうど折り返し地点。
夢か幻か、確かめたくて横にいる先生を見上げたら、今までにないくらい愛しげに微笑んできて、たまらず先生の胸に飛び込んだ。
「お、おお…。急にどうした…?」
「ずっと…一緒にいたいです。…先生のことが、好きだから──」
また涙でぼやぼやになって、止めどなく溢れてしまう涙。転校して一人ぼっちになってもこんなになるまで泣いたことはなかったのに、幸せの涙はとどまることを知らなくて…。
やっと言えた、好きという想い。
先生は指で頬を撫でるように涙を拭ってくれて、見つめ合って、キスしてほしくて…瞳を閉じた。
…ちゅっ
目を開けると、先生は私の唇に人差し指をそっと添えてきた。
「ココにするのは卒業式が終わった後だ。が社会で自立して働けるようになったら、初めてのこと…色々シような?」
「じゃあ…、約束に指切りげんまんしましょ?」
「おう」
額にされたお預けのキス。
そう遠くない未来、先生ともっと色んなことがしたくて…小指と小指を絡ませたのであった。