【R18】【ごちゃまぜ裏夢✿短編集】今夜はOKかもしれない。
第31章 名探偵コナン✿服部平次「先生へ」
駐車場に車を止め、ノリノリなBGMとともに入り口から乗車口までチカチカとたくさんのライトが瞬いている。
観覧車に乗り込むと下はシースルーになっていて、輝く夜景をおさめるためにスマホを手にとった。
「うわあ…すごい。綺麗ェ…」
「ああ、やっぱり観覧車は夜がいいよな。、はいチーズ」
先生からポーズを求められ、思わずハイテンションのままピースサインをしてしまう。
「あ、じゃあ先生も。はいチーズ」
「…どうだ?格好よく撮れてるか?」
「うわ。急に立ち上がらないでください!傾きます…!!」
「おまえ…。高いところダメなのか?」
「いえ…何となく…。うわあっ、こわい!揺れてる揺れてる!」
「ははは。やっぱ怖がってんじゃねえか。俺が隣に座っててやるからさ。こんなんで傾かねえって」
肩が触れそうなほどスマートに横に座ってきた先生。地上から離れていく怖さと、先生との距離がいつもより近くて、ドキドキして、心臓の音がとどまる所を知らない。
「いま半分か…。ほら、下見てみ?」
「う…っおお、こわい」
「ははは。おまえってそんな声も出すんだな」
「そんな声って…。そこまでヘンな声出してないですよっ」
「そうか?……おまえと居たら退屈しなさそうだな」
「っ…そんなの…私たちが、浮いた者同士だからじゃないですか…」
標準語をしゃべる者同士、ただ仲良くなっただけ。
先生への想いをこれ以上、溢れさせては行けまいと可愛くない発言をしてしまう。
「おまえは会ってねえだろうけどさ…。うちの学校に標準語話すやつは両手で数える以上は知ってるし、学校の外でもそーいうやつって結構いるんだぜ?」
「…視野を、広げろって言いたいんですか…」
「それも多少あるが…、異性と仲良くなるのは止めろ。俺が気が気じゃねえ…」
「…え?」
先生の顔を見上げると、いつになく真剣な表情で私の目を見つめてきていた。
「……。そう遠くない未来、俺と…一緒にならないか?」