【R18】【ごちゃまぜ裏夢✿短編集】今夜はOKかもしれない。
第31章 名探偵コナン✿服部平次「先生へ」
学校以外で約束して会うのは初めてで、約束を噛みしめる時間もなく、帰ってから急いで支度する。
観覧車に乗る服ってどんな服?
夜のデートしに行く服ってどんな服?
スカートがいいのかな…。
ズボンの方がいいのかな…。
大人っぽい方がいい?
可愛さを狙った方がいい?
髪型どうしよ…。
化粧どうしよ…。
爪もどうしよ…。
アクセサリーは…。
「あ!やば。時間…!!」
気付いたら30分以上も過ぎていた。
あわててLINEを確認したら「時間過ぎてるぞー」と最後にきており、「少し遅れます!」と返信するとすぐ既読がついた。
住所は教えてないけど、地理に詳しい先生はおおよその場所を把握していて、近場の駐車場にまで来ているとのことだった。
「おっせえぞ。普段早いくせに心配かけさせんな」
「す…すみません…」
「べつに…責めるつもりはねえんだけどよ。なんか…いつもと感じ違ぇな」
「…へ…変ですか…?」
先生の顔をじっとみて伺うと、先生は手で口元を覆って珍しく視線を逸らした。
「まあ…アレだ。……俺のために、ありがと」
「!!…」
一瞬、先生が照れたように見えたのだが、今度は先生が目を見つめてきて、お洒落してきた格好を褒めてきた。トクンッと脈が高鳴って、どんどんと紅潮メーターがあがっていくと頭のなかが沸騰して…爆発寸前になる。
すると先生はいつもみたいに、おでこにコツンと手を軽くあててきた。
「ほら行くぞ。夜中に女子高校生連れ回してるのバレたら、俺が検挙されちまう」
「あ。だから今日は珍しく眼鏡なんですね」
「コンタクトに疲れただけだ。助手席に乗ったらちゃんとシートベルト着用しろよ」
「はーい」
先生の車に乗るのも初めて。
こんな風にいつも車を運転しているんだなってドキドキして、真剣な横顔を目に焼き付けて、先生に抱きつきたい想いを必死に抑える。
…好き。
先生のことが好き。
もし、先生が観覧車で誘ってくれたら…
その時は──