【R18】【ごちゃまぜ裏夢✿短編集】今夜はOKかもしれない。
第30章 ハイキュー✿宮侑✖宮治「狐に化かされた」
食欲のそそる肉まんの店の前を通ると、もう勘弁してほしいお腹が大合唱してしまうわけで…。
「このお店がいいんか?おばちゃん、豚まん3つ~」
「あ……ぁの、本当にお金が…」
「金なら心配しなくてもええ。ツムが持つ」
「ならサムが飲みもん用意したれ。唇かっさかさで潤いも艶もまったくないわ」
「炭酸でええ?お茶の方がええか?」
「い…いえ…、そんな、奢ってもらうなんて……」
「アンタ…、今まで男から奢られたことないん?素直に"ありがと~"しとけや。ほら、豚まんお食べ」
「脱水症状かも知れんしな…。スポーツドリンク買ってくる。待ってろ」
銀髪の方は軽やかに走って行ってしまい、金髪の方はニコニコして湯気の立った肉まんを渡してくる。
「俺のなまえは宮侑、んであっちが弟の治。心配すんなや。悪いようにはせえへんから」
「………ありがとぉ…、ございます…」
ここは親切な彼らから厚意を素直に受け取るべきだと思い、侑が買ってくれた肉まんも、治が走って買って来てくれたスポーツドリンクも感謝してお腹におさめる。
肉まんだけじゃ足らないだろうと他にも色々与えてくれ…、お腹の総大将も満たされたようにご機嫌になっていた。
侑「へえ…、さん関東の大学生なんか。そんでちょっと一人行動したら荷物取られて、その辺におった友達もおらんかったと」
治「鈍すぎやろ。どうして荷物から目ェ離せるのか意味分からん」
侑「さん、隙ある顔しとるしな~。とろくさいとか、ポンコツってよう言われるやろ?」
治「女の子に言うならポンコツやなく、天然やろ」
侑「間抜けとか?」
治「それを言うならドジや」
侑「もぐもぐ口動かして食べる姿もかわええな~」
「ごふ…ッ」
治「慌てて食べるなや…。ほら飲みモンゆっくり流しとき」
年下のイケメン高校生相手に可愛いといわれて心臓が飛び跳ね、喉のヘンなところに入れてしまって咳き込む。
ドリンクの蓋をとって、背中を擦ってくれたのは治。
同じ顔をしているけれど、弟の治のほうが落ち着きがあって、どことなく元カレと重ねて見てしまった。