【R18】【ごちゃまぜ裏夢✿短編集】今夜はOKかもしれない。
第27章 ハイキュー✿国見英「ねごと」
タイミング悪すぎの開眼。
「…」
「…」
目がばちこり合っていると言っても、完全に目覚めているっていう感じじゃない。
の寝起きは悪い。
何度も経験しているからそれは知っている。
だから…、たぶん…、俺の気持ちは気付かれちゃいない。
「……あ…きら……?」
「っ、」
自分の名前を呼ばれてドキリとする。
色々しておいてバレたくないって強く思ってしまって、この場から逃げたくなる。
でも、ここは俺の部屋。
格好付かない片想い。
取り返しのつかないことをしてしまった罪悪感。
所詮、部屋に上がり込んで寝ている幼馴染にしか触れられない小心者で、幼馴染の地位が嫌なくせに満たされちまってる心の半分。
「…、」
「…あき、…ら…?」
最悪だ、
最悪だ、
最悪だ、
最悪だ、
くそッ、
サイテー最悪だ!!
「…はぁぁ~…」
長い息を吐いて、うるさい心臓の音を奥へと押し込める。
無理やり引っ込ませて冷めた自分を取り繕う。
まだ完全に起きていないを静かに見下ろす。
「………」
どうせ叶わないんだって思ったら、
もうこの際、ごと己の気持ちを封じてしまおうって、…ストン…っと胸のわだかまりが黒い底に落ちた。
「…おまえさ…、」
ぼんやりと開いていた瞼が徐々に大きく開かれる。
いまこいつは俺だけを見てくれてる。
瞬きをして、俺だけを視点に留めているような瞳孔の働き。
「ムカつくんだよね」
なにがなんだか分かっていない表情。
困惑して、でも確実に…その先を感じ取ってる。
小動物みたいに。
「あき…ら、なに言って…」
「おまえのこと、ムカつくって言ってんだ」
を想うたびに疲労困憊。
もう想うことに疲れた。
無駄に体力遣わされて、焦らされて…ときめかされて…追いかけて…妬いて…怖くなって…遠くから見ていることしかできない。
逆ギレ、八つ当たりもいいところ。
「おまえのこと…、大っ嫌いだ。俺の顔なんて…二度と見たくないようにさせてやる」
俺は自分がこれ以上、かわいそうな奴になりたくない。
無駄な初恋。
無駄な片想い。
人の心をさんざん踏みいじって、土足で俺の領域に踏み込んでくるやつには成敗が必要だ。
もかわいそうな奴になれば、きっと…。