【R18】【ごちゃまぜ裏夢✿短編集】今夜はOKかもしれない。
第27章 ハイキュー✿国見英「ねごと」
身体も心も成長している。
幼馴染と思えないくらいは女の子らしくなった。
「…可愛いよ、おまえ…」
小さな頭を撫でながら、聞こえもしない誉め言葉。
「…可愛すぎなんだよ、…」
たまにガキっぽいところもあるけど、それは俺だって同じ。
成長しきれてない大人と子供の境目に立ってる。
触りたかったに触ってる。
言いたかった言葉をに言ってる。
目を開けたら絶対にできない伝えられない秘めた片想い。
「……、起きんなよ…?」
あんだけ起きろよって思ってたけど、やっぱ起きて欲しくない。
伝わってほしいけど伝わってほしくない。
惚れてるってバレたら格好付かない。
の顔をこんなにマジマジみたのは初めてで、皮肉なほど心臓の鼓動がバコバコ鼓膜まで届いてる。
「……、」
目を瞑るコイツが愛おしくて。
縮まらない距離がムズ痒くて。
気持ちが積み重なるほど切なくて。
「好きだ」
少し口を開けた唇めがけてキスをする。
(…いき…かかってる…)
顔に吹きかかる規則正しい寝息。
こっちは息止めてんのに、すーすーって容赦ない。
(…もう離さねぇと…バレるかな…)
ふにっとして柔らかい感触。
唇の弾力の威力がこんなに柔軟性があったなんて知らなかった。
(…ちょっと冷たくて、けどあったかくて……。とにかく気持ちいい…)
キスの感触ってのを、自分の部位で試してみたけど全然違う。
生物と非生物が違うくらい違う。
当たり前だけど。
唇の感触に驚いて語彙力が急激に低下している…。
(…そろそろ…やばそ、)
たくさん思考を巡らせたけどほんの数秒だけのキス。
名残り惜しくて唇をゆっくり離して、起きてないか確認すると…。
「っ…」
「…」
ばちこり目が合った。