【R18】【ごちゃまぜ裏夢✿短編集】今夜はOKかもしれない。
第27章 ハイキュー✿国見英「ねごと」
俺の失言では逆走…。
無駄な体力を遣わされて、たどり着いたのは…よく小っちゃい頃に遊んでいたすべり台のうえ。
「………ぐすっ」
「…」
後を追ってきたものの非常に気まずい。
俺は悪いことを言っちゃいない。
だって俺からしたら本当に気に食わないことだったからだ。
いまここで謝ったらの想いを肯定することになる。
そしたらたぶん、今までの俺じゃ居られなくなる。
けど…。
「悪い…こと言った……。ごめん…」
に「大嫌い」といわれたのが、予想以上にすごくショックだった。
いきなり高層ビルの屋上から突き落とされたみたいに…、南極に一人置き去りにされたみたいに…苦しくて、締め付けられて、切なくなった。
「ごめん……」
だって、はいつだって傍に居てくれた。
ついてくんなと言ってもついて来て、邪魔だと口にしても冗談だと分かって笑ってくれる。
だから急に離れていく姿を想像しちまったんだ。
「………あきら……、私も…ごめん。…私も…だいっきらいとか言い過ぎた…、ごめん…」
「…」
じゃあ俺のこと好き?
影山のことより俺のことが好きなのか?
だいっきらいじゃないなら、俺に好きって言えよ。
「英…、泣かないで…?」
「はあ!?泣いてねえしっ…!!」
「…でも…」
「走ってきたとき目にゴミが入ったんだよっ!こんなの、ちょっと沁みただけだ…!」
「…そ…そうなの…?」
男が泣いてたまるか。
だから泣いてねえし…!
目に入ったゴミを袖で拭ってなかったものにする。
すべり台の下からの顔を見上げたら、なんか安心して…いつも通りに俺を見てくれる目があった。
「………んで。聞いてやるよ。影山のこと」
ここで逃げたら終わる気がした。
むしろ相談してくる相手が俺で良かった。
無駄に勘繰ることもしなくて済む。
冷静になって、ウラから阻止してやる。
我武者らにもならない。
かわいそうなやつにもならない。
効率良く、燃費良く、常に冷静にウラをついてやるだけだ。