【R18】【ごちゃまぜ裏夢✿短編集】今夜はOKかもしれない。
第27章 ハイキュー✿国見英「ねごと」
──…ときは北川第一中学校に入学して、クラスメイトの顔と名前が半分くらい一致してきた頃に遡る。
「あのさ。おなじ1年生に影山くん…っているでしょ?」
「あ゛ぁ?」
初対面から影山飛雄が気に食わなかった。
突然、帰り道でそんなヤツの名前を聞いたらウトウトしていた眠気も覚めて、声変わりをまだ向かえていない声帯にドスがきいた。
「…寝起き…?」
「歩きながら寝る技があったら伝授してほしいけど」
「キゲン悪いね…。なんかあった?」
「…」
おまえのせいだろ…と言いたかったが、に八つ当たりをしても格好悪い。
ここは喉元でグッと言葉を抑え込む。
「………で。おなじバレー部だから好物とか休日なにしてるとか聞き出せって、トモダチに言われたのか?」
「…」
今度はが沈黙を作った。
その反応に苛立ちを覚える。
(黙ってんじゃねぇよ…)
イライラしてつい舌打ちが出そうになる。
の口からヤツの名前なんて聞きたくなかった。俺の気に食わない奴だったから。
だから、あえてトモダチかと悪あがきをしてしまった。
それなのに…。
はあからさまな顔をして黙りやがった。
「俺、あいつと仲良くねーし。無理」
「……チームメイトなんだから仲良くしないと」
「はあぁ~…」
分かりやすく溜息を吐く。
俺が嫌がってんの気付けよバカ。
「がなんて言おうと生理的に無理。無理はものは無理。早く辞めてくんねえかなァ…あいつ」
「っ…、」
横に並んで歩いていたが急に立ち止まった。
…やばい、と思った時にはもう遅くて。
「英なんてだいっきらい…!!」
半泣きした面をみせられて、踝を返して家じゃない方向に走っていた。
なんで家の方向じゃないんだよ。
泣くなら家で泣けってえの…!
「…ったく」