【R18】【ごちゃまぜ裏夢✿短編集】今夜はOKかもしれない。
第26章 ハイキュー✿影山飛雄「ピーチ」
後ろから追い掛けてきた足音が近くなり、踊り場前で手首を掴まれる。
「待てやボゲェ!!」
「離して…!!」
「離さねえ!!おい、汚ねえって何だよッ!!?俺がいつそんなこと言った…?!!」
掴まれた腕は加減を知らないのか、強く握られている。
振り払おうとしてもがっちりと離さずに握ってきて、逃げることすら許されない。
「もういいの…っ、逃げないから手を離して!!」
「全然話になってねえだろうが…!!一人で自己完結すんなッ。俺がいつ、てめえに汚ねえって言ったよ。デカケツしか言ってねえだろッ?!!」
「それが根本なんだよ…っ!!」
「ああッ?!意味分かんねーし!!」
お互い意味が分からないと吼え合う。
頭の中がクエスチョンマークで埋め尽くされる前に深呼吸し、少し冷静になってから影山の伝えたいことを掘り下げていく。
すると、どうやら彼は「デカケツ」という言葉を「誉め言葉」だと思って使っていたことが判明した。
「……………ひどい。色々と…」
「デカケツが侮辱だったらなんていやあ良いんだよ」
「普通に苗字で呼んでよ。もう二度とデカケツって呼ばないで」
「ぉう。じゃあ今まで通り普通に喋ってもいいのか…?」
「え?」
「青ペンのとき…」
そういえば生物の授業で「話し掛けないで」と怒って、後悔した覚えがある。そんなことを今更確認するなんて、何だか少し…可愛らしく思えてしまった。
「今、フツーに喋ってるじゃん…」
「まあそーだけど。良いんだよな?」
「………ぅん」
デカケツ騒動も落ち着き、あれから騒がしい男子もスカート捲りを止めてくれている。
そんなわけで平穏な日常が取り戻すことができ、自分の靴を下駄箱にしまう。
明るい学校生活のリスタートだ。
「。ぉっす」
「おは……っひ」
影山との距離も縮まり、お尻に触れた手は全体をまんべんなく撫でまわされた。