【R18】【ごちゃまぜ裏夢✿短編集】今夜はOKかもしれない。
第26章 ハイキュー✿影山飛雄「ピーチ」
最後の授業が終わり、班ごとの清掃時間となる。真面目にやらない班のメンバーを咎めることもなく、せっせとモップでごみを集める。
「あとゴミ捨てるだけだから帰っていいよ」
─「ああうん。じゃ、お疲れ~」
ゴミ箱を両手に持ち、教室を出ようと一歩踏み出した瞬間。後ろのスカートがふわりと意図的に捲れ上がる。
「ひっ…」
─「スカート釣れたど~」
騒がしい男子は手に持っていた箒の先で、懲りずにスカートを捲ってきた。棒の先端が太腿に擦れて、小さな悲鳴とともに身震いを起こす。
(サイアク…。2回もやられて……)
ゴミ箱を下ろして、スカートを戻しているとドガッ…っと大きな物ぶつかった音が響く。
─「痛ッ……。何すんだよ」
驚いて後ろに目をやると騒がしい男子の胸ぐらを掴む、影山の姿があった。
「そりゃこっちの台詞だッ。てめえこそ何しでかしてんだボゲェ!!!」
─「ぁあ?デカケ……っぐ、首締まってる締まってるってッッ」
(……一体、何が起きて……)
糸も分からず憤慨し始めた影山。
騒がしい男子も状況が把握できずに襟が絞られて、顔が茹でタコのように充血している。
「ちょ。影山君、手を……」
「てめえもデカケツ安売りしてんじゃねえッ!!!」
「はあ…?!!」
─「マジ、ちょ……首…」
「二度とスカート捲りなんて真似すんな!!分かったかボゲェッ!!!」
影山は絞っていた胸ぐらから手を離し、騒がしい男子は崩れたように首元を抑えて呼吸を繰り返す。
聞き間違え出なければ影山は「スカート捲りの件」でキレていた。
はふと、あのとき立ち止まっていた様子も、舌打ちされたのも何だか納得がいく推理にたどり着く。
「………影山君。汚いもの見せて、ごめんね…っ」
「はあ?!!なにがッ…って、おい!!」
あの時、影山は絶句していたに違いない。
ただでさえ目立つ大きなお尻。
それに加えてスカートで隠されていた部分を見てしまい、目に毒を塗られてキレたのだ。
は悲しみに耐えられず、教室から駆け出した。