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【R18】【ごちゃまぜ裏夢✿短編集】今夜はOKかもしれない。

第26章 ハイキュー✿影山飛雄「ピーチ」



(……私…、何か…悪いことしたのかな…)

最悪なことに影山と騒がしい男子とは同じ班だ。生物の授業では班ごとに座っている。

…早く席替えをしたい。

できるなら大きなお尻が目立たない一番後ろの席がいい。そう思いつつも、あのときの影山の舌打ちが気になる。

(聞き間違えかな……。デカケツってすでに嫌われてるから気にしたってどうしようもないけど…)

騒がしい男子のことはどうも思わないのだが、影山に嫌われたくないと願う自分がいる。影山は口は悪いが、黙っていればイケメンだと友達が言っていた。それはも共感している。

キリッとした顔立ちで身長も高く、どこか惹き付けられる格好良さがある。

デカケツだといわれるのは辛いけど、話し掛けるのをどこか期待してしまっていた。

「──…おいデカケツ。青ペン貸せ」

「…」

「デカケツ…、」

─「影山君。あたしの使ってよ」

「てめえに聞いてんだよ。おいデカケツ」

同じ班の女子生徒が助け船のように影山に声をかけたが完全に無視。

(人のことデカケツデカケツデカケツって……。影山君なんて好きじゃない…ッ!!!)

「…はい。それあげるからもう話し掛けないで」

「!!?」

─「ははっ!影山、嫌われてやんの~」

言い切ってから気が付く。
影山の前に音を立てて青ペンを置いてから激しく後悔する。
言い過ぎだと思ったけど今更、訂正なんてできない。

(…もういい。初めから嫌われてるんだからっ……)

中傷的なあだ名。ブス、デブと言われているのと変わらない屈辱的な呼び名。

初めから女として見られてなくて、自分が気付きたくなかっただけ。

誰にも気付かれないように滲んだ涙をぬぐい、影山と壁を作るように班で授業を受けた。
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