【R18】【ごちゃまぜ裏夢✿短編集】今夜はOKかもしれない。
第26章 ハイキュー✿影山飛雄「ピーチ」
影山はの斜め後ろに座っている。デカケツだと呼ばれるようになったある日の出来事。
……授業中、消しゴムを落としてしまった。
前に転がった消しゴムを拾い上げ、椅子から半分乗り出したお尻に目が行った影山はぽつりと呟く。
「……でかけつ…」
─「ぶふっっ!!!」
影山の前に座っていた、騒がしい男子は授業中にゲラゲラ大爆笑。
しっかりと耳に届いてしまった「デカケツ」という言葉を笑いながら連呼し、指を差される。クラスメイト全員に把握されてしまった大きなお尻。
あだ名で呼ぶのは一部の男子だが、心の中では皆そう思っているに違いない。
(早く飽きてくれないかな……)
無反応でやり過ごせば自然におさまるはず。
過剰反応すれば相手の思うツボだ。
周りのことを観察して身につけた知恵で、今は耐えるしかない。
─「。移動教室、一緒に行こ~」
「うんっ」
仲の良い友達と並んで廊下を歩いていると、影山以外の揶揄ってくる男子の騒がしい声が聞こえる。背中が強張って廊下を広くあけようと横に動いた瞬間、ふわり…っとスカートが捲れ上がる。
「きゃっ」
─「ははっ デカケツ頂きました~!」
─「パンツ丸見えだっつ~の!」
慌てて捲れ上がったスカートを抑える。
騒がしい男子は横切って行き、しっかりパンツを確認されてしまう。インナーを履きたいのだけれど、少しでもお尻の厚みを減らすために履かないことが逆にアダになってしまった。
─「何なのアイツら……。、大丈夫?」
「………ぅん、──」
友達に視線を移して、何気なく後ろを確認すると立ち止まっている影山と目が合った。距離は少しあるが明らかにのことを見ている位置。
目が合った影山は視線を逸らした。
そして、大足で横切った瞬間、ワザと聞こえるような舌打ちを残していった。