【R18】【ごちゃまぜ裏夢✿短編集】今夜はOKかもしれない。
第25章 僕のヒーローアカデミア✿エンデヴァー「有限手錠」
就業時間を過ぎてようやく帰れることに安堵したのか、は長い欠伸を吐きこぼす。
「えっとぉ…。この後どうします?」
「さすがにこの状態で家には帰れん。夕飯は出前を頼んで、ここで寝泊まりしよう」
「やっぱそうなりますよね~。和食にします?洋食にします?それとも中華っスか?」
「そうだな……」
振り返りたくもない時間が嘘のように過ぎ去り、いつもどおりの他愛のない会話。今日はこの手錠のせいで身動きが取りづらく、部下たちに指令を出すことが多かった。
なのであっさりとした和食を選び、は左利きでも食べやすい寿司を口に運んでいた。
「いいっすねぇ。温かいお味噌汁…」
「貴様もあるだろう。お吸い物」
「飲んでもいいっスか…?絶対手を引っ張んないでくださいよ。顔面ヤケドしたくないんで」
「…分かった」
「フリじゃないっすからね?絶対に手を、」
「早く飲まんかァァァ!!」
怒鳴るとはにたりと笑う。
つくづくの食べている姿を見ると、自分の利き腕ではなくて良かったと思ってしまう。
手錠に繋がれている間、大きな災害や脳無出現もなく、災厄な事態を免れてひとまずは安心する。
「じゃあ次、お風呂入りましょうか」
「1日くらい入らなくとも……」
そう言って話は前のページに遡る。からは全く気になる匂いはない。
果たして40歳を過ぎた自分は…加齢臭がするのかと。
「……臭うか?」
「え?オナラしたんスか…?」
「…違う。俺はおまえの匂いは気にならないが、俺が臭いのかと…」
「あぁ、なんだ。これはただの習慣っス。まあ…好みはありますけど加齢臭好きっスよ。エンデヴァーさんのとか特に…!」
「やはり臭うのか…!!」
「誰かにディスられたんスか…?」
自分じゃ気付かない親父臭。
やはりするものなのかと暫しショックを受ける。だが同時にそれを好きだというが居てくれて、内心…助かったと喜ぶ自分もいたような気がした。