【R18】【ごちゃまぜ裏夢✿短編集】今夜はOKかもしれない。
第24章 僕のヒーローアカデミア✿ホークス「片翼のビスケット」
私欲のため…、人々のため…、そんな他人な都合での羽はもがれ続けていた。普通に学校に通わせていればバレないと思っていたのだろう。の身はすぐさま保護措置がとられた。
病院にあった隠蔽された研究資料の数々。
の羽は外傷だけでなく、あらゆる疾患への治癒、そして…条件下での蘇生実験もクリアしたと記述があったそうだ。
「──だからって……、あいつ自身に痛みがないからって、人が助かるからって勝手に抜いちゃ駄目でしょーよッ…!!」
これじゃあ身体を売買しているのと同じ。間接的にだけれど身体の負担は着実に増えていっている。もがれた羽は期待に応えるように増え続け、大きくなり……。
「これはあの子が望んでやったことだ。あの子ひとりで失われていた生命…、諦めかけていた数人のヒーローたちが一命を取り留めた……」
「っ……あんたらは、親同然失格だッ!!!」
「我々は合理的な措置をとったまでだ」
「くそッ…!!」
身体を損傷し、引退していたヒーローの復活。
不治の病とされていた難病の完全な治癒。
植物人間となった人たちの覚醒。
世間を騒がす嬉しいニュース。
ひとりの身体をつかって無数に救える命があるのなら、自分の意志で、喜んで捧げていればって……
「なにをしたって言い訳がないだろッッ……」
そのせいで、あいつは…とうとう一人で歩くことが出来なくなってしまった。
すべては俺のせいだ……。
俺は安全な場所に避難させたんじゃなくて、俺のせいでの偽善者ぶった正義感がそれを助長させてしまった。俺が助けたかったのはあいつ自身だったのに、俺の正義感であいつの身体を都合のいい道具として囚われてしまった。
わずか数年での3つの片翼は、身体を丸ごと隠せるほど大きく成長していた。