【R18】【ごちゃまぜ裏夢✿短編集】今夜はOKかもしれない。
第22章 僕のヒーローアカデミア✿治崎廻「愛してる、だけじゃ伝わらない
とんでもない拉致と出会いから始まって、一時はどうなるかと思ったけど夢の高校生活が始まる。
「…姐さん。そのマスク、本気で付けていくつもりですかい…?」
「俺らは別として、オーバーホールから煙がられてねェのに…可愛い顔がもったいねえぞ。トモダチ減るぜ?」
「そうやって私だけ仲間外れにしないでくださいっ!盃はかわしてませんが、私だって立派な極道の人間なんです!まだ仮妻ですけど…。それに、これはクズの集まりのマスクじゃないです!」
「それは本音か?俺は奴らと同じクズではない…!!」
「てめえは一旦黙っておけ」
初登校日。
玄関先で心配性の集まりなのか…、玄野や入中、音本たちがお見送りに来てくれていた。
「やれやれ。暑苦しい連中だ…」
「いいことじゃあねェか。どれ、よ。厄除けに切火で送り出してやろう」
「おおっ!お願いします!」
「い~な~」
「あれは食べ物じゃないからな。多部」
「俺の結晶でも姐さんを送り出してやりたいところだが…」
治崎と組長も顔を出して、背中を向けて火打石をカチッと鳴らして一発で火種があがったようだ。
「いってらっしゃい。」
「いってきます。おじいちゃんっ」
「」
「…!」
こころよい顔で組長に送り出されたと思ったが、治崎が呼び止めてきて、振り向きざまに手首を引っ張られる。
「寄り道せず帰ってくるんだぞ」
マスクを外した治崎はちゅっと小さな音と立てて、触れた瞼が一気に熱くなる。
「ぬぉおおおおお!!俺もしたいッ!!」
「この女好きが…っ。でもでもいいんじゃねーの、ラブラブじゃねーの、お熱いなァお二人さん!なァ、天蓋っ」
「目に毒ッ…」
「そもそも目ん玉開いてねえじゃねェか…。酔っ払いには気ィ付けるんだぜ~」
「み…みなさん。行って参りますっ!!」
敷地内を埋め尽くし、幹部だけでなく構成員のみんなが盛大に手を振ってお見送りをしてくれる。もまた大きく手を振り返し、第二の我が家から出発する。
…私は…この家が大好きだ。
まだ色々と知らないことばかりだけど、大好きな治崎さんを信じている。みんなが待っていてくれるこのアットホームに私の居場所があり、色んなことで疲れたみんなも……この家に必ず帰ってきてくれる──…温かくて大切な場所だから。