【R18】【ごちゃまぜ裏夢✿短編集】今夜はOKかもしれない。
第22章 僕のヒーローアカデミア✿治崎廻「愛してる、だけじゃ伝わらない
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が入学する前、死穢八斎會の代表として治崎は雄英に赴いていた。その後ろには補佐の玄野と本部長の入中の姿もある。
「本日はお招きいただきありがとうございます」
「やあやあ、よく来てくれたね!寛いで座ってくれたまえ」
「………」
校長室に呼ばれた治崎一行は招かれざる客ではなく、ソファーに腰をかけ、の入学の件を含め、表裏一体となる関係性についての本題…。
「きみたちにも譲れないものがあるように、私たちも教育者の立場として譲れないものがある。お互い譲歩し合って協力関係を築いていきたいと思っているんだ」
「あァ…。こちらとしてもはみ出し者の奴らの居場所を、これ以上失うわけにはいかない…。それに…我々のまわりを嗅ぎまわっている連中もいるようだが…」
「これは失礼。私の名はサー・ナイトアイ。この先に未来はあるのか…、確かなものを探しに私も同席することを許された。きみたちが巨大な地下洞窟を有していることも、そこで何をしているのかも…」
「………」
静かに冷たい視線が交わり、ピリッとした空気が流れる。
「きみはかなり勉強熱心だと聞いた。自身の個性について、その在り方について独学で学んだとか…」
「俺の費やした研究材料ならくれてやる。俺がここに来たのは……あいつと、一緒に笑いたい未来を見たいからだ」
「…!!」
「少年とユーモアな未来か!サーの好きな言葉じゃないか」
「……フッ、まさか。きみからそんな言葉が出るとは…」
驚いたな…と、サーは額を押さえる。
「彼はここに彼女を来ることを許した時点で、何かが変わり始めたんだ。僕はそれを知っているよ。この世界は表裏一体で切り離せないのが道理…。我々の敵は、ヴィラン連合だたひとつ。──…彼女の未来のために、未来の子たちのために、ともに築こう!」
愛した女のため、生まれてくる子供のため、守りたいものができて治崎はその手をぐっと握りしめる。
(と一生で会わなかったら、俺はきっと……)
触れられることが怖くて、無意識に縛り付けていた手首。
命の宿った優しい手のひらから伝わってきて、本当の愛情を知ることができた。なにより、自分に向けられた…はにかんだ笑顔がかけがえのないものだと知ってしまったから…。
Fin.