【R18】【ごちゃまぜ裏夢✿短編集】今夜はOKかもしれない。
第22章 僕のヒーローアカデミア✿治崎廻「愛してる、だけじゃ伝わらない
筆記に関しての評価は、間に合っていない国語・社会・英語はもちろんゼロ点。もう2教科は十分な点数だと褒められる。
『筆記だけなら総合点に満たず不合格……としたいところなんだけど、実技では実に素晴らしい個性を見せてもらったよ!』
日ごろから頑張って基礎練習に励んでいた。この個性だと知ってから最初に地上から離れてみたいと、空を飛ぶことを思い付いた。手だけでなく、足からもエネルギーを放出することを身につけて、もっと器用に扱えるようになりたくて様々なことを試してきた。
『仮想敵ポイントの順位は3位!そして、ヒーローとは何より命を張って人助けをするお仕事なのさ…!レスキューポイント!我々雄英が審査制で見ていた隠しポイントがあるんだよね…!』
その合計で順位はあがり、総合1位と掲示板に表示される。
『最後に……。きみは彼らと出会う前から、任侠を重んじているのだと履歴書をみた…』
「こ…これって…」
「………」
『極道とヒーローが分かり合う…なんてことはあり得ない世の中だ。我々はきみの身の安全や重要参考人として取り扱うべきか、決議には最後まで悩みに悩んだ……。もし、そこに未来の旦那さんがいるなら伝えて欲しい。──…我々に助力してほしい、と』
「──ッ…!!」
未来の光はまだ消えていなかった。手の届く距離にまで可能性は迫っていて、言葉にできなくて口元を押さえる。
『おいで、。ここが、きみのヒーローアカデミアだ…!!』
「………っ」
もし、あのとき治崎が行動してくれなかったら…。
様々な偶然が重なり合って、立ち止まることのない道が拓ける。喜びを噛みしめて涙を零さず横にいた治崎に視線を投げると……、瞬きとともに綺麗な涙がこぼれ落ちた。
「治崎さ、」
「良かった!!………良かった。ありがとう、…ッ」
みんなの前なのに…治崎は震える声を発し、包み込むようにぎゅっと抱き締めてきた。
「っ……治崎さん、」
こんなところで先に涙を見せるなんて卑怯だ。
良かった。
本当に良かった…。
治崎さんがまた笑ってくれて。
みんなが笑ってくれて。
一緒に涙を流せて…。
本当に良かった。
人間らしいこの人たちに出会えて……、本当にありがとう。