【R18】【ごちゃまぜ裏夢✿短編集】今夜はOKかもしれない。
第5章 名探偵コナン✿降谷零「信頼」
「……風見の運転する車はいつもぐーすか寝てるのに、どんなに疲れてても、僕が運転する時はいつも起きてるじゃないですか」
「………」
ハッキリ告げるとは何も言わず、口を紡いでしまう。
(……やっぱり…僕の運転は……)
風見の運転する車だと涎を垂らして熟睡している姿を何度も目撃している。しかし、降谷が運転すると目を瞑るどころか平然と起きているのだ。
降谷は、それがどうしても気に掛かっていた。
「まさか……それでむくれてたの?」
「悪いですか?」
頬でも膨れそうな顔をすると、は込み上げてきた笑いを抑えきれずケタケタと笑い出す。
「あはッ、あはははは!そーいうことねっ!…うふふふっ」
「なっ、笑わないでください!僕は…真剣に悩んでいたんですっ。……どんなに安全運転を心掛けても、僕の運転が信用ないから」
──恋人になっても、自分より風見を信用しているということにひどく傷つく。
「別に…そういうわけじゃないよ。風見君の運転じゃなくてもタクシーとか普通に寝てるし」
「じゃあ僕はそれ以下ってことですか?」
見知らないタクシー運転手のオジサンにも負け、降谷はどこか投げやりな返事を返す。逆上してしまわないように抑えていると、は小声で何か言う。
「──……ィから」
「えっ?」
運転に集中していた降谷は小さな声が聞き取れず、聞き返す。
「だから、その~……見ていたいのよ。降谷君の運転する姿、カッコ…イィから」
「~~~」
降谷は全身の血流が顔に集中していくのを感じる。沸騰するほど熱くて、飛び跳ねたいほど嬉しくて…。
「っ……降谷君まで顔赤くならないでよッ!恥ずかしい……って前見て前!!」
抑え切れない口元を必死に結び、ハンドルを強く握る。
(憂鬱だった気持ちを一瞬で吹き飛ばすなんて…)
「……まったく、可愛い人ですね…!」
「ぅわっ、飛ばし過ぎィィイッッ!!!」