【R18】【ごちゃまぜ裏夢✿短編集】今夜はOKかもしれない。
第22章 僕のヒーローアカデミア✿治崎廻「愛してる、だけじゃ伝わらない
抱きたい衝動に駆られ、ひと汗かいてしまったが後悔はない。むしろ余計にを手放したくなくなった。
ウエットティッシュで綺麗に後片付けをし、の暮らす家に向かう。
「まさかあんな場所でヤられるとは…」
「まだ根に持ってんのか?男っていうのは、そういうもんなんだ」
「男の人じゃないから分かりませんよッ!!あ~ッ、髪の毛とか大丈夫です?!ぐちゃぐちゃに乱れてませんか…?!!」
「寝癖も愛嬌がある。…ついてない。大丈夫だ」
「もう、親にどんな顔したらいいのか分かんないですよぉぉ…」
慌てふためくに対して、合理的なことして充電できた治崎は割と平然としていた。
(のご両親は母親が専業主婦、父親は医薬品メーカーに勤めるサラリーマン。血縁の兄弟はいなく、両親の祖父母は健在……)
のことを調べるにあたって、簡単な身の回りの情報はすでに頭の中に記録されている。特別に厳しい両親でもないが、子供のことになれば必ず守るのが務めだ。それは十分に愛情を持って育てられたのことを見ていたらよく分かる…。
「チャイム鳴らす前に、もう一回キスしていいか…?」
「……そ…、それで成功するのなら…」
「愛してる。」
「ん」
未だにキスに慣れていないの反応。
……俺はこいつを守りたい。
手の届く距離でずっと見守りたい。
一緒に笑いたい。
もしこの腕が犠牲になることがあっても、と一緒に在り続けたい。
「…行こう」
やり直したいとは言ってくれた。
家のチャイムを鳴らして、はじめての両親と対面する。は何も話していないといったから、この人たちは俺が何者なのかなにも知らない。
俺はヤクザで、はカタギ。
どれだけ障壁が大きかろうと俺は自分自身で困難な道を選んだ。
ずっとあの部屋に閉じ込めていても良かったのに。
真っ当になりたかった。
「……治崎廻と申します。本日、お時間いただきましてありがとうございます」
自己紹介と挨拶をしてから、手土産を渡し、当たり障りのない会話で場を和ませる。そして、改めて結婚の挨拶にきたと、相手の目をみてハッキリと伝えたのであった。