【R18】【ごちゃまぜ裏夢✿短編集】今夜はOKかもしれない。
第22章 僕のヒーローアカデミア✿治崎廻「愛してる、だけじゃ伝わらない
ペストマスクを外して黒マスクに黒服の装い。笑顔で駆けてきたはラフな格好で元気そうではあったが、目の周りが少し赤らんでいるように見えた。
「あ、治崎さん…!」
「よォ。見ないうちに少しやつれたか…?」
白手袋ごしに頬を撫でてやると、照れくさそうに頬を染める。
「ぁの…。治崎さん、一人で来られたんですか?」
「玄野や入中、そのほかの幹部連中も温泉目当てで大所帯。それに俺はヤクザの若頭だ。俺は強いから大丈夫だとはいっても、見えないところで見張っている奴らがいる」
「あぁ……そりゃそうですよね」
「なんだ。実質二人きりではなくて残念そうだなァ…?」
「そ、そんなことないですっ!さあ、どこを案内しましょうか?!」
「がよく遊んでいる場所とか、思い出のある場所とか…。おまえのこともっと教えてくれ」
「っ~~~」
すぐにでもの身体を深く抱きしめてやりたがったが、人前で出来るほど軽率ではない。二人きりの場所を求めるようにが今まで過ごしてきた場所を赴き、懐かしい幼い頃の思い出を共有する。
「……治崎さん。楽しいですか?」
「あァ、楽しい。マスクが外せないのは今は勘弁してくれ」
「んー…じゃあ、私の修行場所に移動しましょうか!あそこは人もいなくて、空気が綺麗なんですっ!」
街中で個性を使うことは法律で禁止されている。だからもっぱら家のなか、誰も見ていない山のなかで個性を使う。
「………おい。この山、登るのか?」
「いつもは筋トレのために上り下りしてますが、いまは誰も見ていないので私の個性をエレベーター代わりにして移動しましょう!運動不足の治崎さんのために…!」
「おい。それは聞き捨てならねェなあ。俺だって週でコロシ、、」
「私に掴まってください!どびゅーんと飛ばしますんで!」
「地形を形態変化せず、便利なもんだな…」
の腕に捕まると器用に個性を使いこなし、空を飛ぶ。地面に触れていない足は奇妙なもので、地上が遠くに感じて、空がこんなにも近くに感じる。
「空飛ぶの、初めてですか…?」
「あァ…。海の地平線がみえる……」
綺麗なものを目にして、綺麗なものに触れてきた。
だからはこんなにも眩しいんだと…、この景色が象徴しているようだった。