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【R18】【ごちゃまぜ裏夢✿短編集】今夜はOKかもしれない。

第22章 僕のヒーローアカデミア✿治崎廻「愛してる、だけじゃ伝わらない


14日以内に届くとされる合否通知。治崎には両親に言えとも言うなともいわれなくて、ただ近いうちに実家に顔を出すとだけ言われただけだった。

すると、最近新しく登録した番号から電話が掛かってきた。

「…あっ、もしもし!ですが!」

『明後日、挨拶に行ってもいいか?日曜日はのご両親が休みだと聞いたから…』

「あ、はい、その日は大丈夫です。パパとママには出掛けないよう伝えます。何時頃が良いでしょうか…?」

『そうだな……。の両親に挨拶する前に、おまえと二人きりで地元を案内してもらいたい。構わないか…?』

「ええ、それはもちろん!山から海まで色々案内しちゃいますよ…!」

『ふ……楽しみだ。早くても10時過ぎに到着する予定だ。また追って連絡する』

「はいっ、私も楽しみに待ってます…!」

電話越しの治崎の声は穏やかだった。短い用件だけの会話だったけど、通信を切ってもなお胸がドキドキしている…。黙っているのもなんだが落ち着かなくて、山にこもって個性の強化や筋トレを行うことにした。

「色々なことがあってオチツカナイ…!!」

合否のことも縁談のことも、これからの人生を大きく決める分岐点。ヒーローになりたい…。治崎と一緒になりたい…。どちらも選べるほど世間は甘くなくて、本当はどっちも叶わない幻なのかもしれない。

「もし、パパとママが反対したら……」

駆け落ちや絶縁、離別なんてことはしたくない。たった一人の両親。けれど、天秤にかけられないほど治崎も失いたくない人となってしまった。

パパとママの笑顔を守りたい。
治崎にはもっと笑ってほしい。

パパとママには心配をかけたくない。
治崎と並んで生涯を歩んでいきたい。

パパとママのことは大好きだ。
でも、治崎のことを愛してしまった。

「合格発表より、こっちの方が緊張するなァ……もぉぉ」

地元に帰ってから誰も相談する相手がいない。仲のいい友達に極道の妻になるとかいったら、冗談だと思われるのが関の山。……治崎に逢いたい。

あって…、ぎゅっと抱き締められたい。

は自分の腕でそれを見立てるように、身体に腕をまわして小さく座り込んだのであった。
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