【R18】【ごちゃまぜ裏夢✿短編集】今夜はOKかもしれない。
第22章 僕のヒーローアカデミア✿治崎廻「愛してる、だけじゃ伝わらない
爆風の煙がおさまると、埃ひとつ被っていないと救助された子供たちの姿。
「……なるほど。これは絶対防御に近い、まさに万有現象…。磁力と呼ぶには相応しくないな」
「対象物だけではなく、あらゆるものを寄せ付けない、使いようによっちゃあカウンターもできると。身体の動きもしなやかで自然育ちだったか…」
「スタートダッシュのときも瞬時に複数人を捕捉していたし、瞬発力も侮れないわ」
「そして任侠ヒーローになりたいと…。なかなかこいつは渋い!人格的にも文句なしの合格だろう!」
「ふむ。実はその彼女について近況報告があるんだけど…──」
根津は、八斎會の組長直々に連絡があったことを教師たちに打ち明けた。もし、その子がヒーローとしての素質が十分にあり、なおかつ極道の妻としての肩書きを背負ってもなおヒーローを志すのは可能であるのか…と。
「おいおいおいおい、クレイジー・アメイジングだぜェそりゃあッ!!ヒャハア!!どういうこったい事情を詳しく教えてくれ校長ッ!!?ファァイッッ?!!」
「極道…。しかもあの八斎會と繋がりが……」
「一般高校なら未だしも…、ヤクザがうちの生徒なんてあり得ませんッ!不合格に異論なし!!名門校の質が落ちますぞッ!!」
「たしか…八斎會の監視はサー・ナイトアイの事務所だったと……」
「ああ、それも含めて遅くなっちゃってね。今でこそ表裏一体で大人しくしているが、現在の若頭・治崎廻は若くしてとても侮れない人物だ」
八斎會で最も危険視しているのは、治崎という若頭だということは警察や教師のあいだでも情報共有がなされている。今でこそ目立った動きはないため、ヴィラン連合よりマークはしてないが高いカリスマ性のある人物。
「んんん?ちょっと待ってくれ校長。組長直々の電話…。極道の妻っていうのはどいつの……………ウェエエエエエエエエイッ!!!!!…マジ?」
「声量を落とせ。プレゼント・マイク」
「そう、治崎のお嫁さん候補がくんというわけだ。それを踏まえて、極道とヒーローの在り方について改めて考えてみようじゃないか…!」
極道とヴィラン連合は違う。まずはそこから協議が始まり、合否発表が刻々と迫っていた。