【R18】【ごちゃまぜ裏夢✿短編集】今夜はOKかもしれない。
第22章 僕のヒーローアカデミア✿治崎廻「愛してる、だけじゃ伝わらない
実技は持ち込み自由だったがそんな物は必要ない。その辺にある破片とか硬質物を引き寄せて、鉄砲玉みたいに突き飛ばして仮想敵を行動不能にする。
「とりゃあーっ!横取りサーセン!!」
「ぅぐッッ」
仮想敵に迫っていた男の子を足止めし、その目の前で標的を破壊。筆記試験で落とした分、なにがなんでも実技試験で挽回しなければならない。
残り時間も半分になると仮想の市街地が突然壊れ、生徒たちの頭上に向かって落ちてきた。
「きゃあああッ!!」
「っ…──ふぅ~、間に合ったァ…。葉っぱみたいに軽かったらいいけど、物が大きいと反動くるなァ…。怪我はない?」
「う、うん…。ありがとう……」
「お互いさまですっ」
困っていたり苦しんでいたりする人たちを見たら放っておけず、ポイントとは関係ないけど下敷きになりそうな女の子のを助けられて一安心。
「だあ~、くそッ!!倒したいけどほっとけないし、ホント何なん!!人命救助も加味してくれないかなぁッ?!!」
その後、仮想敵を捕捉した途端、やたらちょうど良いタイミングで建物は崩れるし、人命優先で身体が勝手に動いてしまう。
まだ、引力と斥力を同時発動できるまでには至っていない。攻防一体のように連続で使用しているとスタミナ消費とともに、インターバルが生じはじめた。
「まだやれる…。もっと向こうへ、さらに向こうへ、プルス・ウルトラ!!根性みせろォッッ」
遅刻したけど受験資格はまだ取り消されてなかった。だったらやることは一つしかない。疲労で弱音を吐きそうな自分に喝をいれ、……ようやく実技試験終了の鐘が鳴った。
「──……で、きみが遅刻した理由なんだが」
(治崎さんところのナンバー控えられてたり、見られたりしたらフラグだなァ…)
拉致されたこと、死穢八斎會のことは口にはできない。もし、ヤクザとの関係が知られたら…反故、退学になるかもしれない。
(仮に入学できたとして、もともと学生寮で暮らすつもりだったし、治崎さんとそもそも自由に会えないんじゃ…)
とは言っても、治崎がそこまでなにも考えていないわけがないだろう…たぶん。学校側には何とかテキトーな成り行きと理由を説明し、解放された。
「玄野さんに電話しなきゃ」