【R18】【ごちゃまぜ裏夢✿短編集】今夜はOKかもしれない。
第22章 僕のヒーローアカデミア✿治崎廻「愛してる、だけじゃ伝わらない
持たされた軽食でお腹を満たして、音本とは違い、玄野は必要最低限のことしか口にして来なかった。マスクを外した姿を見たけどこちらも普通にイケメン。
堂々とした場所には車を止められないから死角にまわり、玄野は試験が終わったらまた連絡するように伝え、早々と消えていった。
「試験会場に入れますように…!!」
なんであれ遅刻したこと事実は変わらない。10分、20分の話しではないし、遅刻した理由も公共交通トラブルではない。
「ぁ、あの…!!すみません!!まだ、間に合いますかッ?!!」
「ん?その受験票は…」
会場外に首から試験官の名札を付けていた、ひょろひょろの金髪の男の人を見つけて声を掛けた。
「くんか…。事情はすべての試験が終わったあとに聞くから、まずは会場に急ぎなさい。午後の試験が始まってしまう」
「やったァ!!ありがとうございますッ!!このご恩は一生忘れませんっ」
「ぁ、ああ……」
受験票の番号と名前を控えた男の人は、会場までのルートを手短に教えてくれ、滑り込みで大きな講義室みたいな席に着席する。
(ふぅ~!ギリギリ間に合ったぁあッ!!午後の教科は数学と理科、得意分野だから極めて100%とれるッ!!とは言っても午前の3教科は…。とりあえず今やるべきことをやるべしッッ!!)
会場に入れただけでも運に恵まれている。筆記試験が終わったら動きやすい服装に着替え、各グループごとに演習場に移動して簡単なルール説明が行われる。
(仮想敵は攻略難易度に応じてポイントが違う。個性を使って仮想敵を攻撃不能にし、ポイントを稼ぐのが目的…。これは、サバイバル的で面白いやつッ!!)
「敵さんは待っちゃくれねえぜッ!!ヒャハア!もう試合スタートだァッッ!!イエアァ!!」
「なるほどっ!」
筆記で脳みそを使っていないぶん、体力やパワーは有り余っている。物を捕捉して、対応範囲であるのなら物を引き寄せたり突き放したり自由自在。
「──だからごめんよ!受験生諸君ッ!!」
「う、うわぁぁあ!!」
「くそッ、身体がッ…!!」
それは複数も可能。自分のもとへ勢いよく引き寄せたところで解除し、は空中を蹴って、スタートダッシュを切る。
(足早なのを数人取り逃しちゃったけど、今のうちに!!)