【R18】【ごちゃまぜ裏夢✿短編集】今夜はOKかもしれない。
第22章 僕のヒーローアカデミア✿治崎廻「愛してる、だけじゃ伝わらない
愛してる、と治崎は何度も口にするけれど自分勝手なエゴだ。本当に愛しているのなら、嫌がっている相手にこんなことしていいはずはない。
(誰かッ……。パパ…、ママ…、助けて……っ)
愛してる…
治崎がこわい。
愛してる…
男の人がこわい。
愛してる…
馬乗りになった治崎は愛してると熱がこもった声で囁いて、角度をかけて唇を乗せてくる。
「、愛してる…」
「ぷは……はぁ、っはあ、…ンぅん゛ッッ」
鼻で息をするのも限界がきて、口で呼吸したのが仇になった。下あごを掴んでいた指が口が閉じないように抑えられ、ヌルヌルと動いた舌が歯列をなぞる。
「っ~…!!」
「あァ……こんなにも汚いことをしているのに、は綺麗だ。一生、手放したくないっと思ってしまった」
「はへへッ!」
「止めてといわれて止められるか。そんな濡れた顔されちゃあなァ…」
「はぅ…ぅううッ」
口が閉じられない。捻じ込まれる滑らかな舌。下半身に侵入している指も同時にくちゅくちゅと動いてきて、無抵抗な自分が情けなくてボロボロと涙が止まらない。
「っ…」
目尻からこぼれた大きな粒は横髪を濡らし、耳の中まで湿ってきた。
「反抗的な目つき…、潤んだ泣き顔…、すべてが愛おしい。…俺はおまえを愛しているぞ」
「っ、…っくふぅ…は」
口の中まで侵入してきた舌は唾液を絡ませ、重度の潔癖など嘘のようにめちゃくちゃに混じり合わせてくる。絡んだ糸を飲み込み、目尻の筋を唇に這わせて、そっと…耳にも口づけてきた。
「ひうぅッ!…っはふぅ…ッ」
「その反応、…は耳が弱いのか」
「ゃ……ひゃぁッ、、くンっ」
「先程と比べて、随分と色めいた声だぞ?」
息のかかる距離から低い声で耳打ちされ、背中のあたりがゾワゾワッする。
でも、これは気持ち悪いとか蟲が走るようなゾワゾワではなくて、背筋を淡く撫でるようなざわめきは真逆に誘発されたものだった。