【R18】【ごちゃまぜ裏夢✿短編集】今夜はOKかもしれない。
第4章 ハイキュー✿黒尾鉄朗「年上男」
はまだコーチにメロメロだ。
朝起きて、授業して部活して、淡々と日々を過ごして10日が経った。
(返信が来ねぇ…)
いつもすぐ返ってくる返信。10分、20分と待っていること1時間。その携帯は電波を受信することなく静まり返っている。
(そういや今日……アイツの姿見たか?)
嫌でも目に入ってしまう姿。近くても遠くても追ってなくても、無意識に視界に入れてしまっているの姿を朝から見ていないことに気付かされる。
(……教室にいるかもしんねぇな)
急かすつもりじゃないが姿をちょっこり確認するだけだ。中休みになってから後ろの扉から顔をのぞかせ、の席を見ると…。
「おい。今日、って欠席か?」
「ううん。なんか知んないけど入院したって…」
「!?!?──どこだッ、どこの病院だッッ?!!」
ちょうどやって来たとよく話している女に事情を聞き、血相を変えて黒尾は自分の教室に戻る。クラスメイトには中抜けすると伝え、慌ただしく鞄だけを持って全力で走る。
(が……、アイツが居なくなるなんて考えたくねぇ…ッッ!!!)
駅の改札を抜け、飛び込むように電車に乗り込む。乱れた息を整え、最悪なことばかり考えてしまう。
黒尾はその女子から「が階段から落ちたこと」「救急車で運ばれた病院」だけを聞いていた。消える間際になんか言われた気もするが居ても立っても居られなくなった。
(階段から落ちたってことは十分死ぬ可能性だってある。ドラマとかで良く見るし、色々な管に繋がれて意識が戻らないことだって……ッ)
が居なくなる。
アイツの顔が見れなくなる。
笑った顔、怒った顔、色々な顔が蘇ってきて、滲んできそうな涙を必死に堪える。
駅から数分走ったところに病院が見え、入院病棟に行ってからの病室を聞き出してまた走る。