【R18】【ごちゃまぜ裏夢✿短編集】今夜はOKかもしれない。
第4章 ハイキュー✿黒尾鉄朗「年上男」
身体はどれだけ燃え上がっても心までは繋がらない。黒尾は自分の額に皺を寄せたを感じ、繋がった部分を更に揺らし始める。
「あっ…ぁ…ん…あぁっ」
気持ち良さそうによがる女。
「あぁっ!…いいっ…んぁっ、ぁアっ…!」
それでも溢れ出す切なくて恋しがる気持ち。
「…っ……イキそうッ」
「ん、あァっ!イってぇぇ、イク…イふぅン゛ンン゛ッッ!!!」
二人で同時に果てそうになった瞬間、黒尾はの唇を塞ぐ。攫うように唇を吸い、最初は拒絶反応を見せたかのように動いたが、だんだんと抵抗もなく貪り合う。
「んん、っく……ふっ…ぁ…ん、んぅ…」
うっとりと目を瞑った顔を視界におさめ、キスを続け、そっと離して混ざった唾液を飲み込む。
「……!!」
すると、の目尻から一筋の涙がほろりと落ちる。黒尾は唇を震わせたが何も口にできず、もぼんやりと見詰めたまま何も言わない。
(やっち…まった……)
事後、黒尾はピンクのカーペットを見詰めてベッドの縁に座り込む。キスくらいでこの関係が終わるとは思えない自分もいて、声を掛けることを躊躇しているとはゴソゴソと動き出す。
「……あ、ペットボトル忘れた。…クロ、水飲む?」
「ぁ……ああ」
咎めないどころか気にしていない様子のはタオルを身体に巻いて、部屋の扉を開けたままリビングの方へ行ってしまう。
(タフな女だぜ…)
一々細かいことを気にしていることに嫌気がさして鼻を鳴らす。持ってきてくれたコップ一杯の水を飲んでいると、の発言に飲んでいた水を噴き出す。
「アンタのキス、意外と気持ち良かったね」
「ぶふッッ」
「ちょ!汚い!カーペットまで汚さないでよぉ」
「だ、ててめぇが急にヘンなこと言いだすから…!!」
勘違いしてしまいそうになる。
告ったらイケるんじゃないかって。
「ヘンなこと?本当までのこと言ったまでだけど…」
「…っ」
水を置いたは、小悪魔の笑みを浮かべて徐々に…顔を寄せてくる。
「…退けて」
「へ?」
「シーツ、替えたいから」
しかし、その笑みは真顔に切り替わる。キュンとした自分に恥ずかしくなり、数分前のムードが冷めきったようにシーツが取り替えられ、触れ合うこともなく同じ布団で朝まで過ごした。