【R18】【ごちゃまぜ裏夢✿短編集】今夜はOKかもしれない。
第22章 僕のヒーローアカデミア✿治崎廻「愛してる、だけじゃ伝わらない
中学を卒業したばかりで、高校入試会場に行きそびれた憐れで可愛そうな少女。女と呼ぶにはまだガキ過ぎた。それでもと話すのは無性に笑えて、触れる以外に、もっと色んな反応が見たいと思ってしまう。
「…あァそうだ。口腔チェックさせろ。舌を突き出せ」
「ぇ、…そしたら止めてくれますか?!」
「お風呂で身体は洗ったが、歯磨きまでしていないだろう。思い出したら急に萎えた」
「うう。舌を見られるって、なんか恥ずかしいです……」
「歯医者さんにかかったこと一度もないのか?」
「いえ…。グラグラしている歯がいずくて、歯医者さんにかかったことはありますけど」
「いずく…?」
「あ、そっか。これ方言なのか…」
いずく、というのは違和感がある、居心地が悪い、気持ちが落ち着かないといった微妙な心境を表す言葉だそうだ。ちなみに虫歯は一個もないと言い張られた。
「虫歯ができたら俺が治療してやる。おまえの口なら、指を突っ込んでも平気だろうから痛みも最小限で済む」
「え゛、遠慮しますよっ!頬っぺたの傷を治してもらったのは有難いんですけど、ものすっっっごく痛かったんですよッ!?今までお医者さんにかからず、自分で荒治療してたんですか…?!!」
「時間をかけて施行する歯医者の方がよっぽど拷問だろ…。自慢じゃないが、俺も虫歯は一個もできたことはない。毎日欠かさず、口腔ケアを行っているからな。いいから虫歯がないか見てやる。大きく口を開けろ」
「そんな情報いらないですっ!何だか違う方向になってるんですけどッ…!!」
治崎の自身の個性の関係から、医学知識に関してあらゆる資料を読んできた。抱いていた身体を離し、馬乗りになって口の中を見ようとするもただただ喚かれるだけ。
一体どこでミスってしまったのだろうか。
「健康チェックだ。血液だけじゃ分からない部分を見せやがれ」
「もうそれ拷問ですから!!お医者さんが馬乗りで診察するなんてあり得ないですッ!!」
「……あァ、それもそうか。どうやら気が動転していたらしい」
「ようやく気付いたの。遅ッ!!」
指摘されて気付かされる。仕方がなく身体を離したら、口の中を開けて見せてくれることに成功した。