【R18】【ごちゃまぜ裏夢✿短編集】今夜はOKかもしれない。
第22章 僕のヒーローアカデミア✿治崎廻「愛してる、だけじゃ伝わらない
頬を触ってきた治崎はマスクのない顔でジッと見つめてきて、頬を撫でるように指を動かしてきた。なんだか無性にくすぐったい。
「ぁ、あの…痛ダダダダダダダッッ!!えッ、なに?!えッ、痛いんだけど?!ん、あれ……痛くなーい???」
「傷があったから治した。俺の個性はオーバーホール。手で触れた対象物を瞬時に分解と修復できる。女なら手鏡くらい持っておけ」
「私のカバンの中、勝手に見たんですかッ?!でも、手鏡なくたって携帯見りゃあで十分ですよ!あっ、ほんとだっ!キレーに治ってる~」
この傷は、実は飼い猫ちゃんではなく、恥ずかしながら自らフォークでぶっ刺して出来てしまった傷。頬を貫通して刺さったから泣き叫ぶくらい痛かった。自分でもなんであんな無茶な練習をしたのか、いまだに理解不能な行動だったけど。
治崎に手鏡を返すと懐にしまい、また触ってこようと腕を伸ばしてきた。
「ぁ…あのっ、本当に潔癖なんですよね???」
「あァ…だから常時マスクと手袋をつけている。だが、おまえの前では取り繕う必要はない」
「ぇ、…で…でもやっぱりほら!ひ…人とひととが…ッ」
腕を伸ばしてきた治崎から逃げるように身体を逸らしていくと限界がきて、ぽふっとベッドに倒されてしまった。上に乗っかる体重が重い……。
「こんなに近いのに蕁麻疹が出ない。もっと抱かせろ…」
「えぇッ、ちょ、どこ触って……。ん?」
腰辺りでもぞもぞと動く治崎の手。服に手が入ってくるんじゃないかと胸板を押して逃げようとしたが、その手は腰と背中にまわっただけで、ぎゅっと抱擁しただけだった。
(なにこの人。大人なのに可愛いと思ってしまったよッ!!!)
正直いうともっとアダルトなことをしてくると思った。なのに、ぎゅって。
(そういやこの人、ろくに他人に触れたことないんだよな。それもそっか。なんか…頭撫でてやりたいなァ…)
くすぶる母性本能。人肌が恋しそうに、ぎゅっと抱き締めた腕に大人しく抱かれたままでいることに決めた。
その頃、を抱き締めている治崎は…。