【R18】【ごちゃまぜ裏夢✿短編集】今夜はOKかもしれない。
第22章 僕のヒーローアカデミア✿治崎廻「愛してる、だけじゃ伝わらない
「、…いい名前だ。両親からつけてもらったのか?」
「はい…。ママが、主に考えてくれて……」
「両親からさぞかし愛されて育ったんだろう。一人っ子なんだろう?大切な娘なら、尚更」
「!!やっぱり、私のことを知って…」
「あァ……、初めから知っていて拉致したのさ。血液が凝固する前に検査しないと。あとで飲料水を持ってくるから、それまでに部屋に欲しいものを考えておけ」
「え、ちょ…」
聞きたいことが山ほどあるといった狼狽した表情。見ていて愉快な気分になる。の部屋を出てから採取したスピッツを研究室にある機械にかける。これだけ濃厚な血液が混じり合えば、まず間違いはない。
「あァ、水を持っていってやらないと。俺は忙しいんだ…」
検査データは1日だけでは揃わない。より精密な数値を出すためにはそれなりの日数を要するからだ。
冷蔵庫から500mLのペットボトルを取り出し、の部屋の扉を叩いてから開く。
「…入るぞ」
試しに部屋を鍵を閉めないで出て行ったが、大人しくその場にいたようだ。こちらの出方を探っているのは容易にわかる。この子なりに脱出方法を考えているのだろうが、簡単には地上へは上がれない。ここの地下室は一部の幹部クラスしか知らない部屋の造りになっているからだ。
「今は時間が空いている。質問があるならどうぞ」
女はおしゃべりが好きだ。必ずしも全員そうとは限らないが、は少なくとも喋ることは嫌いではないはずだと、治崎は話しながらに分析していた。
「…あ…あの、それじゃあ聞かせてもらいますけど」
「あァ、なんだ?」
「…どうして、何が目的で、私のことを拉致したんですか?」
ド直球でハッキリとした質問。ビクビク怯えて、まどろっこしい質問をされるより印象が良くなる。
隠す必要もないことなので正直に話すことにした。
「あァ…、ガキのおまえでも納得できる言葉で説明してやろう。おまえを拉致した目的は、
──…俺の妻になって欲しいからだ」