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【R18】【ごちゃまぜ裏夢✿短編集】今夜はOKかもしれない。

第22章 僕のヒーローアカデミア✿治崎廻「愛してる、だけじゃ伝わらない


身体の隅々まで洗い終えたは、バスタオルで身体を拭き、自由に使っていいと言われた化粧水や乳液を使わせてもらう。

「誘拐っといっても妙な気分だな…。ちゃんとお風呂に入れたし。これからどうしよう…」

治崎が潔癖症のおかげで清潔保持は出来そうだ。応接室でのやり取りで治崎は部下に「消されたくなかったら人形のように黙っていろ」と脅し文句を言っていたり、自分としかコミュニケーションを許さない素振りをみせていた。

「私の個性…とは言っても、引力と斥力を扱うだけだし…。価値はそれほど高くないと思うんだけど」

ますます治崎の考えていることが分からない。人身売買、臓器売買も一瞬脳裏を過ぎったが、それだけで誘拐されたとも思えない。

「謎は深まるばかり…」

ここが地上からどれだけ離れているのか分からない以上、下手に動くのはまずあり得ない。山道で遭難したときも決して慌ててはならないことは肝に銘じている。手出しされない危険な状態に陥らない限り、様子を見計らうのが得策。パパとママには心配かけちゃうけど、もし手がかりがあるのなら警察やヒーローたちが必ず動いてくれる。

──…希望を失うのにはまだ早すぎる。

ドライヤーもかけ終わって、あんまり待たせるのも怖かったから、呼び出しボタンを押すと治崎がそう時間のかからないうちに戻ってきた。

「……綺麗になったな。それでは部屋に案内しよう」

(!…外見を褒められたわけではないのに一瞬、ドキッとしてしまったよ)

マスクをしているから顔が整って見えるのか。冷たくて細い目元だが、なにより清潔感が漂っており、身なりも着こなしているから格好良い雰囲気ではある。

だが、顔の半分はマスクで隠されているので断言はできない。

「ここが今日からきみの部屋だ」

「………」

ガチャッと外鍵のかかる扉を開けられ、手のひらを差し出すポーズで案内された。

部屋の明かりがつくと、白い大きなベッドと洗面台が置いてあるだけで、色味もない空虚な部屋だった。
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