【R18】【ごちゃまぜ裏夢✿短編集】今夜はOKかもしれない。
第18章 名探偵コナン✿松田陣平「この指とまれ」
「それはつまり……」
「俺の今まで付き合ってきたつーか、一期一会の関係だ。つまりは解消だけが目的で、家の中に入れたりとか…お前みたいにどーこーしたいっていう感情のねえってこと」
「………」
見つめあう松田の瞳孔には熱が灯り、とても嘘をついているようには見えない。口は乱暴なのに、こんなにも素直に話してくれる松田には、裏をかかれたように言葉を失う。
「浮気の心配はすんな……っつても、こればっかりは口約束になっちまうけどな。俺は口は悪ぃし、感情的になっちまうこととかあるけど、なるべく気を付ける…か…ら……」
「松田さんっ……!」
勢いよく松田の身体に体重をかける。
ぶっきら棒だけれど松田の優しさが伝わってくる。それが彼らしくもあり、偽りのない姿には上ずった声をあげる。
「松田さんっ、……嬉しいです。私のこと…想ってくれてて、すごく…嬉しいです…っ」
「んなことで泣いてんじゃねえよ……ったく」
高校の頃から付き合ってきた彼氏に裏切られた。
仲良しだと思っていた親友にも裏切られた。
そして別れてすぐ付き合うような自分はもっと軽薄かもしれないけれど、涙を流さずにはいられなかった。
優しく頭を撫でていた手は頬を伝った涙をすくい、見つめ合う。口には出さなくても塞いでほしい唇に熱を帯びた。
「……松田さんのキス、…好きです……」
「はんっ…、一丁前に誘ってんのか?」
松田から向けられる優しい眼差し。
「今度は……優しく…して、ほしいです……」
あの時のキスみたいに。
いまさっきのキスみたいに。
素直になりたい。
小さく頷くと、の髪を撫でてから甘い唇を押し当てられた。