【R18】【ごちゃまぜ裏夢✿短編集】今夜はOKかもしれない。
第18章 名探偵コナン✿松田陣平「この指とまれ」
スパイスの効いたジャージャー麵を食べながら休日の過ごし方など当たり障りのない会話で過ごす。
(松田さんって、意外としゃべるんだな……)
BBQを食べていた時も萩原、降谷、諸伏、伊達の4人が喋りかけてくることが多く、松田は誰かを挟んで会話を成立させていたような感じだった。
テニスの時に初めてグラサンを取った顔を見て、線香花火で初めてちゃんと話せたような気がした。急激に接近したのはバスルームでの出来事。無理やりキスされて…、その後流されるように事故ってしまった。
(一番ナイよなぁ…って思ってたのに……)
毒のある空気感。
瞳の奥が見えない威圧感。
そこから垣間見える優しさに打たれてしまい、事後から恋人同士に発展して1日が終わろうとしている。
「はぁ……」
「なんだ。まだ食い足りねえのか?」
「えっ…、そういうわけでは」
「お前の食い意地には驚いた。成人男並みに食ってたからな」
「う。それは遠慮がなくてすみませんでした……」
「このあと寄りたいところとかあるか?」
「いえ…。明日、松田さんはお仕事なんですよね?早めに休まれたり、お一人でしたいこととかは……」
松田の体調を気遣っていったつもりが、どこか気に障ったらしく「俺といるのがそんなに嫌か?」と不機嫌そうに尋ねられてしまう。
サングラスで表情の奥まで読めない。ただ苛立ちが少し混じっているのは確かだ。は考えを見透かされないように心拍数をおさえ考える。
(──あ……、もしかして。仕事で殆ど会えないから私の都合に合わせようとしてくれてる……?)
帰りの車で松田たちは公務員の中でも「警察官」だと話してくれた。消防士の兄を持つは緊急時に呼び出される兄の姿を見てきており、休みでも実質休みではないということを知っている。
(でも行きたいところなんて特にないし、家でのんびり……)
「…あっ!」
「あ?」
は思い付いたように手を叩いた。