【R18】【ごちゃまぜ裏夢✿短編集】今夜はOKかもしれない。
第16章 ハイキュー✿黒尾鉄朗「アイワナビー」
強情なをベッドに押し付けて、理性をぎりぎり保った口づけを落としていく。
「好きだ…」
唇をそっと離した隙間から言葉を乗せ、また唇を紡ぐ。
好き。
めちゃくちゃ好き。
馬鹿になるくらい好き。
受け身のはまたジワリと涙を滲ませ、俺の言葉で殻をこじ開けるようにどんどんと溢れ出してくる。
「また……泣くのか…?」
俺はの言葉が聞きたい。
俺だけの一方通行じゃ片想いでしかない。
両想いならの本当の気持ちを確かめたい。言葉にして、俺のこと…ちゃんとどう思ってるのか言ってほしい。
「好きだ…」
だから口にしてくれ。
ちゃんと届く距離にいる。
もう忘れようとしたり、離れようとしたり、気持ちを抑え込んだりしない。
「……」
名前を呼ぶと瞬きをしたの頬に、一筋の涙がほろりと落ちる。
それは初めてキスした時に零した涙と重なるくらい、同じ表情をする。ぼんやりとしていた表情は徐々にくぐもったように俺を見詰めて…。
「……………私も、──…」
声にならない想いってやつが全身を駆け巡る。
もう唇を重ねて愛情を確かめるとか、気持ちがぶっ飛んでしまって、ただただ嬉し過ぎての身体を抱え込む。
(やべえ……っ)
嬉し過ぎて表現できない。
この腕の中にあるモンが、ずっと好きだったモンが手に入って、両想いで、俺のことが好きで、やっとの想いが俺の中に入ってきた。
「…く、苦しぃ……」
「あー悪ぃ。はあ~………。俺ダメかも」
力の加減が変わらなくて、が苦しそうな声をあげる。腕を少し解放してもまたすぐ抱き締めたくなって、の肩口に顔を埋める。