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【R18】【ごちゃまぜ裏夢✿短編集】今夜はOKかもしれない。

第16章 ハイキュー✿黒尾鉄朗「アイワナビー」


教室を出る前にの教室を確認したがいなかった。の姿は一目で分かる。

「メールの既読もねぇし……」

新婚ホヤホヤのコーチのところにも見当たらない。

(居場所が分からねえ……)

また事故ったとか話にならねえし、連絡が来ないまま学校を出て、気が付くといつの間にかのマンション前まで来ていた。

「…ったく、いつまで待たせんだよ。電話掛けて…… …は?」

受話器を耳にあててポカンとなる。



そりゃあんな張り紙みりゃ誰だってそうなる。──入居者募集って…なんだよ。



「くそッ、電話にも出ねえ…!!アイツどっから学校通ってたんだ?!!少なくとも昨日今日の話じゃねえ……。10日前………もしかして、あん時から…?」

の部屋の階、部屋の番号は把握済み。別にストーカーじゃないがマンションの窓辺の位置くらい分かっちまう。
でも、今はもうあそこにはいない。

「っ……、浮かれすぎんのも程があんだろッッ」

センター試験が終わってから、暇だ暇だというと初めてデートまがいをした。ショッピングして、ゲームセンターで盛り上がって、普通のカップルみてえにデートを楽しんだ。遊び終えたら初めてのラブホを堪能しまくって…。

その浮かれまくってたデートの日、から卒業式に記念品が欲しいといわれた。

自分に興味ないと思ってたから飛び跳ねそうなくらい嬉しくて、渡すならネクタイだろうって今日の日のために強請られても誰にも渡さなかった。高校卒業したらアイツは東京から離れてしまう。しかも因縁の仙台って…。引き止めたくても言えなくて複雑な気持ちになった。

「渡せねえだろ……っ」

のことは今でも好きだ。卒業して二度と逢えなくなったとしても、ほかの誰かを好きだと口にしたとしても、告白して終止符を打つつもりはない。

可能性は1にも満たないからだ。

好きで好きであんだけ遠く離れた場所からでも見てたのに分からなかった。自分が情けない。不甲斐ない。

「くそッ…!!!」

無我夢中で駆け出した。
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