【R18】【ごちゃまぜ裏夢✿短編集】今夜はOKかもしれない。
第15章 黒子のバスケ✿青峰大輝「禁止令」
教室、屋上のほかにお互いの家を行き来して、大輝の家にやってきた3回目のある日。家にいた母親が「晩御飯どうする?」と聞いてきて、夜遅くまで友達と出掛けに行くらしい。
は「お台所貸していただけたら…」と晩御飯まで一緒にいてくれると知り、大輝は心の中でガッツポーズをする。
(やべえ…、どうしよ。めっっちゃ触りたい……!!!)
テンションが上がり過ぎて何を手につけたらいいのか分からず、とりあえず部屋にあったバスケットボールを指の上でクルクルしまくる。
「青峰のお母さん、ひき肉でハンバーグ作ったらって………おぉ、すごい。どうやったらそんなに回せるの…?」
「指に乗せりゃ出来んだろ」
「簡単にいうけど無理だから。ボール貸して?」
手首を軽く捻って緩やかなパスを出し、は危なげなく受け止める。見よう見まねでボールをあげて指先に乗せようとするが1秒も持たずに床に落ちる。
「そんなやり方じゃ突き指すんぞ」
「だったらやり方教えて?」
「タダで教えるのもな~」
「いっつも勉強教えてんじゃん。タダっていうよりボランティアだけど」
「まあそうだな、仕方ねえ…。初心者ならボールのココんところに指を乗せるとバランスがとりやすい。摩擦の少ない指の腹じゃなく、爪の上にだな…」
と触れ合う距離まで立ち、お手本を見せながらレクチャーする。いつもは教えてもらう立場なのに教える立場になると新鮮な気がして、熱が入ってくる。
「あ~…なんかシたくなってきた」
「…えっ?」
「近くでできる場所あるから行こうぜ。玄関に外用のバスケットボールあるから、そっち持ってな」
「う、うん…」
外にあるバスケットボールのコートがある公園まで出向き、昼下がりの空の下でドリブルの音を打ち鳴らす。
「久々に来たな……」
「ドリブル、様になってるね」
「俺とボールは一心同体みてえなもんだ。……学級委員長なら知ってんだろ?部活もほったらかしにしてるって」
屋上で授業をサボることを止めたが、部活動までは打ち込めない現実。投げやりな目を向けるとは遠い方向を見た。