【R18】【ごちゃまぜ裏夢✿短編集】今夜はOKかもしれない。
第15章 黒子のバスケ✿青峰大輝「禁止令」
大輝はこめかみに血管を浮かべて、壁を破壊する勢いで拳をぶち当てる。
─「ぁ……青峰…く………」
「……消えろ」
─「ひッッ」
女たちは慌てた様子でバタバタと走って消えていき、残されたはホッと溜息をついて笑顔を向けてくる。
「いや~ありがとね。危うく金目のもの強奪されるとこだったよ」
「笑ってんじゃねえッ!!!」
「…、……ぇ…えっとぉ…、ご機嫌斜め??」
「ッッ…」
さっきまであんなに怯えた顔してたクセに、へらっと何ともない顔をしやがる。
怒ってんのにそれでもトボけたように笑みを向け、苛立ちの方向を見失う。
「っなんで、そーやってヘラヘラしてんだよ……ッ!!聞いたのは、途中からだけど……俺のことで絡まれてんのは分かってんだ…ッ。なのに、てめえがヘラヘラしやがるから………」
他人事のように済ませようとしているに腹が立つ。気付けなかった自分にも腹が立つ。本当の気持ちを伝えられなくて歯がゆくて、抱き締めてやりたいのに触れることすらできない。
「あれが初めてじゃねえんだろ?俺に言ってくれよ…。俺は、俺のことで面倒に巻き込まれるお前を見たくねえんだ……」
「……言ったところで何も解決しないよ。それとも彼女たちの中に気になる子がいるなら話はべつ…」
「んなもんいるかよ!!俺が好きなのはてめえだけだッ!!!」
「へ…?」
「…、」
(──…勢い余って言っちまったぁああ!!!)
驚いたように目をぱちくりさせる。
大輝は気まずそうに視線を逸らし、この場から逃げ出したくなる。
人生で初めての告白が、勢い任せになろうとは…。