【R18】【ごちゃまぜ裏夢✿短編集】今夜はOKかもしれない。
第15章 黒子のバスケ✿青峰大輝「禁止令」
次の日は交換ノートと空っぽの弁当箱を渡し、明日からもう一つの楽しみが増える。
放課後。
制服のまま遅れて体育館に顔を出すと、若松にどやされ、今吉はへらへらとした顔で宥めている。
「今日は妙にゆっる~い顔やな、青峰。例のカノジョとええことでもあったん?」
「何もねえし」
「せやかて隠し切れてないで?ほんまおもろいわ~」
「今吉サンも笑ってないで叱ってくださいよ!!あいつ、部活を何だと思ってんスか?!!」
「グラビア雑誌見てるよりはええやろ。青峰からボール取れるよう練習あるのみや」
「チッ…」
大輝は強い。バスケでは才を抜けた確かな実力がある。なので主将の今吉は強引に練習させる様子もなく、時期が訪れるのを待っている。
そんな企みも知らない大輝は部活中に勉強し、学力の遅れを取り戻している最中だ。
「………ん?これ、問題文間違ってねえか?」
教科書を見返しても間違っていることに自信がなく、頭のいい今吉を捕まえる。
「これ問題文ちがうよな?」
「せやな。問題の間違いを見つけられるなんて成長したなあ。はじめて赤ペン使う時が来よったわ」
「赤ペンくらい使うわ」
珍しいこともあるモンだと赤線を引っ張る。
だが大輝は半日かけて解いているが、はこのノートを教室にいる短い時間でいつの間にか作り上げている。
俺が良く分かってないところを導いてくれる、俺のだけのテキスト。
今吉のいうように叶うのなら恋人同士になりたい。
でも現実問題、は頭が悪い男をどう思っているのか。
は責任感があるから学級委員長という仕事を引き受け、問題児を更生させようと奮闘している。
今はだた、それだけの関係なのだ…。