【R18】【ごちゃまぜ裏夢✿短編集】今夜はOKかもしれない。
第15章 黒子のバスケ✿青峰大輝「禁止令」
それから1週間が経ち、放課後になってから大輝はグラビア雑誌ではなく大学ノートを取り出す。
シャープペンシルを取り出してカチカチと芯を出していると、1学年上の若松が汗を拭いながら口をあんぐりと開けていた。
「おま………え、え、えっ???」
「んだよ。俺の顔に何かついてんのか?」
「いや何も付いてねえ……いや、何か憑りついてんのか?お前はダレだッ?!!」
「青峰やないの。どないしたん?………へえ、すごい真面目なことやっとるな。小説家でもなるんか?」
バスケ部の主将である今吉までも大輝に興味を示し、ノートを覗いてきた。
「うわ、これはガチな……。見やすくてキレーな字や。桃井の字ちゃうな~」
「なんか面白いモンでも書いてるかと思ったら、オイ嘘だろ…。お前が、べ、ベンキョーとか……!!!」
「邪魔すんじゃねえよ。ノート返せ」
不真面目な奴が勉強しているところを見せれば、必ずノートを取り上げられる。
今吉は最初のページから最新のページまでパパっと目を通し、若松は開いた口がまだ塞がらないようにノートの中身を見ている。
「ベンキョーもやる気になったんなら、部活ももうちょい参加してくれると嬉しいんやけど。お優しいカノジョもドリブルしてる青峰の格好ええとこ見たいんとちゃうん?」
「………彼女じゃねえし」
「は??ここまでして彼女じゃねえって、どんだけ世話過ぎがいるんだ?!同じクラスのヤツか?!!」
「うっせーな。やっぱ家帰ってやる」
「あっ、いや、悪かった。ん?つうかなんで俺が謝ってんだ…??今は部活の時間だぞ。ぶ・か・つ!!」
しかし気にも留めないまま大輝は体育館から姿を消してしまった。
「ったく…、いいんスか。アイツのこと甘やかしてばっかで……」
「せやな。まあでも若松はバスケに熱心なのはええけど、もうちょい賢かったらな。今度はもう少し追試減らそうな…?」
「あ、ぁ~…ハイ」
若松も人のことが言えないくらいの追試候補者であり、今吉の言葉が痛々しく突き刺さった。