【R18】【ごちゃまぜ裏夢✿短編集】今夜はOKかもしれない。
第15章 黒子のバスケ✿青峰大輝「禁止令」
しかし現実は厳しかった。
「はい、コレ」
「あ?」
は1冊の大学ノートを渡してきた。
表紙には「交換ノート」と書かれており、中身をみると1ページには条件が簡潔にまとめられ、見開きの2、3ページには教科がごちゃごちゃにテスト問題が作られている。
「1ページ目にも書いたけど今日渡したら、明日までに回答して私に提出すること。教科書ノート見てもいいから絶対忘れずにやること」
「教科書見たらこんなもん楽勝だろ」
「まず青峰は教科書を開くことから始めないとね。問題間違えるたびにページ数増やすから」
「え~…」
「楽勝なんでしょ?中休みは今まで通り見てあげるし、昼休みは一人でゆっくりしたいでしょ?放課後は私もアンタも部活あるし、テスト期間に入ったら教室に居残れるけど……」
「俺が部活してるって知ってんの?」
部活に所属したはいいものの、全くと言っていいほど練習にも参加しない幽霊部員。体育館に顔を出しても触れるのはボールではなく、持ち込んだグラビア雑誌。
「そりゃ学級委員長だから誰がどの部活に入ってるだとか、委員会やバイトだって把握してるわよ。知られてちゃマズかった?」
「いや…別に………」
それもそうか。
何か期待していたようで肩がガクンと落ちる。
「そう肩を落とさないで。たった2ページの問題を解けばいいんだから」
はその何かを勘違いして、落ちた肩を慰めるように叩いてくる。
愛情の詰まったノートを忘れないように鞄に仕舞い、中休みのうちにまた勉強を教えてもらう日を繰り返した。