【R18】【ごちゃまぜ裏夢✿短編集】今夜はOKかもしれない。
第15章 黒子のバスケ✿青峰大輝「禁止令」
その日から大輝が授業前に抜け出そうとするとに行く手を阻まれ、教科書を開くように指示される。
拒むことも容易くできたのだがその短い時間が妙に心地よく、素直に従う。
「……お前って兄弟いんの?」
「弟が一人。いま小5」
「小5ってことは……5つ離れ?」
「うん。詳しくいうと4年と7か月差。青峰は一人っ子でしょ?」
「あ~…見て分かるもんか?」
「やっぱそうなんだ。わっかりやす~」
雑談もサラッと交えて、はこの前の復習を分かりやすく教えてくれたりする。
大輝の中でベンキョーが嫌いなのは変わりないがに言われれば不思議と意欲がわいたのも事実。
(コイツが先生だったら良かったのにな……。いや、それはなんか違うか……)
少なくともが居てくれたら追試は回避できそうな気がする。
中学の頃から赤点だらけで追試を一度も免れたことはなく、いつも最後まで教室に残されていた。5月になれば中間テストやら何やら出てくるし、お願いすればのことだから引き受けてくれそうな気もする。
(……よ、よし。いうぞ。つーかなんで俺、キンチョーしてんだろ)
「ぁ、ぁのよぉ…」
「ん?」
ちょうどその時、の後ろを横切った一人の男子がにやりと笑みを浮かべる。
は背中に違和感を感じ、手を回すとペラっと背中に張り付いていた紙をみてピクリと片眉を動かす。
「こら、馬鹿めぐ!こんなの書く暇あったら勉強しろ!それにこの漢字間違ってるから…!」
─「うっせーよ、ばーか」
大輝のほかにもう一人クラスに問題児がおり、"目黒"のせいで告白を遮られてしまう。
はそのまま怒った様子で目黒を追いかけていってしまい、取り残された大輝は気に食わなさそうに頭を掻いた。