【R18】【ごちゃまぜ裏夢✿短編集】今夜はOKかもしれない。
第14章 名探偵コナン✿警察学校組「1day」
足取りは重い。
(自分でもケジメをつけないとね…)
何も知らない弦と宇汰だっている。まだ1泊ここに泊まることは出来るけど、ちゃんと顔を見てお別れをしたい。
(雄星……)
最初に止まっていたコテージが見えてきて、ちょうど戸が開いて一人の姿が見えてくる。一番顔を見たくない…、
「みづき──」
裏切った親友の顔だった。
みづきもの姿に気付くと大きな目を見開き、一瞬だけ動きを止める。その向かってくる足取りは優雅なもので、矛先を向けられているような気分だった。
みづき「忘れもの?」
目の前にいる親友だと思っていたみづきは悪気のない顔付きだ。一つ一つの表情筋を見逃さないようにジッと…、大きな目を向けてくる。
「……なんで。なんであんなことしたの…?」
みづき「あんなことってどんなことぉ?」
「とぼけないで…!」
するとみづきは「こわぁ~」とにたりと笑い、その表情が何よりの証拠だ。
──みづきが最初から仕組んでいた。いずれ私を陥れようとずっと前から考えていたことだって…。
感情的になってはすべてみづきの思うつぼ。深いため息をなるべく音を出さないように吐き出し、みづきの真正面を向く。
「ずっと…私のこと、嫌いだったの?」
それだけは確認したかった。
みづきと過ごした時間はすべて計算だったとは思いたくない。二人きりの楽しい思い出だってあったからこそ…、信じたかった。
みづき「みづきが嫌いなものなんてないよぉ。ただ…何となく?」
何となく?…ってなに。
それだけで雄星を利用というのか。
嘲笑うような顔は変えない笑みを浮かべていた。