第14章 名探偵コナン✿警察学校組「1day」

伊「続いてこれより萩原・松田ペア対降谷・諸伏ペアの試合を始める。ジャンケンするもの前へ」

ジャンケンは松田と降谷が行い、降谷がサーブ権を手にする。

松「男同士だったら利き腕で問題ねえよなぁ？」

降「ああ。利き腕だろうが利き腕じゃなかろうが、俺には敵わないだろうけど」

松「言ってくれるじゃねーか…」

萩「まあまあ、そう熱くしなさんな。お互い楽しくやりましょうや。な、諸伏」

諸「ああ、もちろんだ」

（何だが見えない火花が散っているように見えるのは私だけだろうか…）

穏やかそうに見えた諸伏と萩原でさえもバチバチと火花を交わしており、握手を交わし終え、テニス経験ありだという降谷のサーブから試合が始まる。

──ダァンッ…

「え…」

伊「フィフティーン・ラブ」

（横からみても早過ぎて見えなかった…！）

諸「肩の調子は良さそうみたいだね、ゼロ」

降「ああ。彼女が見てくれてるから絶好調だ」

松「くそ…。どいつもこいつもイイところ見せやがって…」

萩「松田。例のアレやっちゃう？」

松「おう」

降谷の向かいにいた萩原と松田はポジション位置を変え…。

降「へえ…。オーストラリアンフォーメーションか。今はあまり使われない陣形だ。悪あがきにも見えるがな」

松「シングルだけじゃねえ。特訓の成果、見せてやるぜ…！」

降谷はまた高い打点から凄まじいサーブを振りかざし、松田は食らいつく。しかしそのボールは相手のコートに落ちることなく、ネットに引っかかる。

伊「サーティ・ラブ」

松「ちっ…。妙な回転かけやがって」

降「サーブを攻略するまでに時間がかかりそうだな松田。でも容赦はしないぞ」

降谷はサーブで圧倒的な強さを見せ、終始降谷のターンとなる。

伊「フォーティ・ラブ。ゲーム」

諸「さすがゼロ。すごいな。でも少し俺にもボールを触らせてほしいかな」

降「それならあいつらに言ってくれ。俺の相手にならないってな」

降谷は向こうのコートまで聞こえるような声と挑発的な笑みを向け、ピキっと血管を浮き出した松田は舌打ちを鳴らしてサングラスを外した。