【R18】【ごちゃまぜ裏夢✿短編集】今夜はOKかもしれない。
第14章 名探偵コナン✿警察学校組「1day」
カランッと氷がガラスコップを撫でる音を鳴らして、携帯の光だけがもたらす空間でゆっくりとその面影は振り返る。
諸「、ちゃん…?どうした、眠れないのか…?」
少し擦れたような声を出し、諸伏はソファーに座ったまま顔を寄こす。
「ちょっと喉渇いちゃって…」
諸「そっか…」
「…諸伏さんはまた、お酒飲んでるんですか?」
諸「ううん…これは水。俺も喉が渇いて」
はキッチンに足を向けるのではなく、諸伏の座っていたソファーに腰を下ろす。
諸伏は静かに携帯を閉じるとおもむろに口を開いた。
諸「…ちゃん。無理やりテニス誘ったり、振り回しちゃったけど……少しは気は紛れた?」
理由も聞かずに振り回してきたのを物語るように、諸伏は口にする。
「そうですね……。おかげさまで完全復活までは行かないですけど。今日はとっても楽しかったです」
ありがとうございます、とお礼を言うと諸伏は力なく笑う。
「あれだけ強引に振り回されて、逆に良かったです。そうじゃなかったら、ウジウジずっと悩んでいたかもしれません……」
大切にしていたものが一気に崩れ去った。人間関係も部内で結成した絆もすべて失った。思い出すたびに苦しくて、悲しくて、やり場のない感情がまた噴き出してくる。
「ちゃんと分かってあげられなかった……っ。みづきのことも…雄星のことも…」
みづきの仕向けたことだと思おうとしたが、次第に自分が悪かったのではないかと疑心暗鬼にかられる。
「ちゃんと言葉にしてたら、あんなこと……」
諸「ちゃん……」
涙もろいわけではないのに凝りもなく、平然を装うとしてもボロボロと脆い仮面が剥がれ落ちてくる。
諸伏に子ども扱いするように頭を撫でられたと思ったら、グッと身体を引き寄せられた。