【R18】【ごちゃまぜ裏夢✿短編集】今夜はOKかもしれない。
第51章 呪術廻戦✿夏油傑「家庭教師」
四角い湯船の中を移動していくと、傑くんは少し横にずれてくれる。
髪を後ろに結って、見惚れてしまうシャープな輪郭。
色気が漂う首筋と鎖骨。
男らしい広い肩幅があって、鍛えられた腕を出すと頭に乗せていたタオルに触れた。
「あ。やっちゃった」
あまりの寒さにタオルを入れてしまったことに気付き、慌ててタオルを取り出す。
傑くんは「貸し切りなんだから気にしなくていい」と言ってくれたけど、タオルを入れないのが日本のマナーだし、後ろを向いて渾身の力でタオルを絞った。
「ふにっ」
「は温泉入るとき、タオルを頭に乗せるの?」
「うーん、どうだろ。お母さんたちと入ったときは頭に乗せていたけど、修学旅行の時は乗せている人少なかったから、近くの縁に置いていたりしていた」
「特にこだわりがないなら覚えておいた方が良い。熱い湯に入ったときは冷たいタオルを頭に乗せておけば「のぼせ防止」にもなるし、こういった外が冷える日には温かいタオルを頭に乗せておけば「冷え防止」にもなる」
「へえ…。昔の知恵ってやつか」
「そういうこと」
傑くんに教えてもらったので、まだ温かいタオルを頭に乗せる。
するとお湯の中から傑くんの手が出てくると、の耳に触れた。
「冷えてる」
間近に迫る、傑くんが艶めかしく笑う。
唇を横切って耳元へ。
そこに行くのが癖になっている滑らかな動きで、耳の内側をダイレクトに愛撫される。
「から誘っておいて、素っ気ない真似はしないでくれ」
「っ…」
お湯の中で傑くんの腕がうごく。
寄ってきたのはの方なんだから拒否権はない。
傑くんは遠回しにそういった。
ベッドの上で本番の真似事をしてきたとはいえ、の体は未知なる領域を想像して一気にこわばる。
「好きだよ、。無理やりなことはしないから」
「…うん」