【R18】【ごちゃまぜ裏夢✿短編集】今夜はOKかもしれない。
第51章 呪術廻戦✿夏油傑「家庭教師」
「そろそろ17時になるし、チェックインしようか」
宿泊先は白と黒を基調とした和風モダンなつくり。
落ち着いた雰囲気があり、は自分が一気に大人びたような気がして、緊張と相まって口数が極端に減る。
「。先にご飯食べに行くかい?」
「うっ、うん!」
部屋についてほっと一息。
イチ客人として、振る舞わなければと気負っていると傑くんに背中を撫でられた。
「背伸びしすぎたかな?」
「ううんっ。そんなこと全然……。素敵なところだなって思って」
「私も初めてくるところだけど落ち着いたところで良い雰囲気だ。客室から少し離れたところにお客様専用の貸し切り露天風呂があるんだけど、ご飯食べ終わったら一緒に行こうか」
「貸し切り露天風呂があるの!?」
「ああ。そこでエッチなことはしないよ。のぼせて倒れてしまったら困るからね」
「うっ」
自分たちだけの専用風呂と聞くと豪華な気がする。
エッチな妄想回路になる前に傑くんは釘を刺すように言ってきて、夕食の準備は出来上がっていたため私服のまま出向くことにした。
お皿に盛りつけられた上品な飾りつけ。
食べるのがもったいないくらいだったけどお腹が空いたので、有難く感謝を込めて「いただきます」をする。
季節感のある食事を全部平らげようと思ったけど、の箸は止まり、向かいに座る傑くんはまだ食べられそうだったので、少し食べてもらって部屋を後にした。
「お腹いっぱーい、もう食べられなーい」
はゴロンっと座布団の上に寝転んだ。
「少し休憩したら露天風呂に行くかい?」
「うん。普通の大浴場もあるの?」
「ああ。ここに泊まるのは2日間だから、そこでゆっくりするのも良いけどね」
傑くんの言い方に妙に引っ掛かり、変わらない表情を見るからに「だけど私は一緒に入りたい」と言っている気がする。
傑くんの言葉には本音が見え隠れすることがある。
変わらない顔で笑いかけていたのは、己を律するためだと教えてくれた。
自分の我がままでのことを想い通りにしたくない。
ならそれが出来ると思い、ちゃんと向き合って考えて欲しかったから、無理に近付くことを我慢していたんだと教えてくれた。