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【R18】【ごちゃまぜ裏夢✿短編集】今夜はOKかもしれない。

第51章 呪術廻戦✿夏油傑「家庭教師」



***


「うひょー!」

箱根のクリスマスイルミネーション。
驚きと感動でへんな声が出てしまったが、冬の寒さが消し飛ぶ白い雪景色と色とりどりの人工照明がマッチして美しかった。
首都圏の豪華なイルミネーションも毎年みているが、雪を感じられるだけで味がでている。

「山頂は冷えるね」

「耳が千切れそう。あと鼻ももげる」

「ははっ、それは大変だ。の顔がなくなってしまう」

お互いに白い息を吐き合わせる。
頬っぺたも耳も赤くなっていて、傑くんは少し姿勢をかがめての頬っぺたを包み込んできた。

「君とこうして、イブの日を過ごせて本当に良かった」

去年も一昨年も、お互いに顔を見合わせることなんてなかった。
好きだから顔が見られなくなった。
好きだったから近付くことを恐れてしまった。
相手を想うだけ気持ちがすれ違って、苦しい思いをしてきた過去。

「ごめんなさい」

「もう謝らないで。私を想うなら、から欲しい言葉がひとつだけある」

その言葉がなんなのかはすぐ、分かってしまった。
傑くんが期待してのぞき込んでくる。
が「でも……」と躊躇いがちに反応すると、傑くんはのうつむいた顔を上げさせる言葉を囁いた。

「恋人を結びつける夜に、蠟燭の火を点けない男女なんていないよ」

目の前にいる傑くん。
傑くんの言葉に答えたい。
点数も、約束も、ぜんぶ無視して、いま目の前にいる傑くんに答えたい。

「大好きだよ。傑くん──」

瞼を閉じると傑くんの唇が触れ合った。
ずっと傑くんから欲しかった。
うれしくて、うれしくて、傑くんのわき腹を通って背中に手を伸ばす。
傑くんの広い背中。
守ってくれる長い腕が全身を包み込み、触れあっているだけで深く繋がっている気がする。

名残惜しい唇が離れていくと見つめ合うのが恥ずかしくなった。
傑くんの顔を見たいけど、見られるのも恥ずかしくて、ドラマやアニメみたいにうまく出来っこない。
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