【R18】【ごちゃまぜ裏夢✿短編集】今夜はOKかもしれない。
第13章 黒子のバスケ✿青峰大輝「ラブホ」
約束の日。
は慌てて道を渡る。ヤル気満々だった大輝はもう行ってしまっただろうかと息を切らしながら、色黒で際立って身長の高い人影を探す。
「はぁ…はぁ…」
(どうしよう……見当たんない。もう行っちゃって…)
大輝とキレイな胸の大きいお姉さんが並んで歩く姿。自分には向けないような笑顔で笑いかけ、一緒に楽しそうにホテルに消えていく…。
(いやだよ…そんなの……っ)
「遅えよ。心配したじゃねえか」
「えっ…」
後ろを振り向くといつもは適当なTシャツとかパーカーなのに、ちょっと格好良いと思ってしまうVネックシャツを着こなしている。
(やば。格好良い…)
「あ?熱でもあんのか…?」
ふわりと前髪を上げられて自分のおでこの熱と測り比べをしている大輝。
(良かった…。まだ待っていてくれた…)
「熱はねえな。ったく…1時間も遅刻しやがって。メールも電話も無視しやがるし…、ホント心臓に悪ぃわ」
「ごめん…。色々してたら時間かかって…」
「ふ~ん。ま、いいけど。…飲みかけだけど飲めよ」
「ありがと…」
近くの壁際で手渡されたヒンヤリと冷たいジュースを飲む。
大輝に言われてから雑誌やネットで女子大学生らしい大人可愛いコーデを調べまくった。化粧なんて生まれてこの方自分でしたことはなく道具を買い揃え研究。髪型も徹夜で勉強し……、当日になるとあちこちが気になって遅刻してしまうという大失態。
「全部飲み終わったか?」
「うん。おかげさまでゆっくり休めた。ありがとう」
「ん」
大輝は飲み終わった缶ジュースを奪うと、ピュッとパスを飛ばすようにゴミ箱目掛けて飛ばし…見事に決まる。
「ナイスシュート」
「バカッ!誰かに当たったらどうすんのよ!」
「俺がミスすると思ってんのか?行こうぜ」
「え。まだ心の準備が…」
「デートだっつーの」
大輝はニカッと歯を見せて笑って、大きな手に引かれて人混みの中を歩いて行った。