【R18】【ごちゃまぜ裏夢✿短編集】今夜はOKかもしれない。
第51章 呪術廻戦✿夏油傑「家庭教師」
ベッドの端に一列になって座り、心の中で気持ちをいったんリセットして話し始めた。
「あのね、傑くんをあからさまに避けていたのは……。そ、その、お、お兄ちゃん以上に感じてしまって」
自分で選んだ言葉を口にして、顔に火が付く。
布団があるなら入りたい。
今まさにベッドの布団の上にいるわけだけど、傑くんが部屋にいるから逃げ場がない。
逃げ道を探すのは悪い癖だと分かっていても、そう簡単にすぐには治らない。
「だ、だから……し、しんどくて」
勢いにまかせて告白するなんて無理。
遠回しに言うのが限界。
スカートの裾を握っている手のひらから汗が滲み、胃腸も引きつって痛くなる。
心臓もバクバクして吐きそう。
たぶん食道まで胃液が上がってきている。
吐かないけど。
「ご、ごめんなさい。わたし、傑くんとどうにかなりたいとか、もうそういうのは考えないようにするから……。だから──」
体がふわりと浮いた。
なにこれ、と思った瞬間、真上にいる傑くんに押し倒されたことを知り、ときめくよりも動揺して、影のできた目鼻立ちをみて背筋がゾクッと震える。
「閉じ込めておきたいと想うのは、君だけじゃない」
「んっ」
両手をついて覆い被さる傑くんが片手を放すと、耳の横から輪郭をうっすら撫でてくる。
性的を意識させる触り方。
「は、そこまで鈍くないよね」
今まで露骨に意識していた数々。
傑くんはいじわるだ。
指先を動かして反応を面白がり、すべてを見透かす細い目つきを向けてくる。
胸の鼓動が高鳴る。
押し倒されたときは驚いてしまったけど、傑くんの熱い視線にやられて今はカラダの芯まで溶かされたい。
「傑くん……」
傑くんがほしい。
抱いてほしい。
傑くんの心臓に近い部分を触るのは恥ずかしくて、自分に触れている傑くんの指先に全身全霊の想いを込める。
(抱いて)
目線を合わせてしっかりと。