【R18】【ごちゃまぜ裏夢✿短編集】今夜はOKかもしれない。
第51章 呪術廻戦✿夏油傑「家庭教師」
傑くんがいたら勉強どころの話ではない。
気になって集中できない。
想像するだけでムラムラする。
母親が何やら言っているが暴走した妄想は止まらない。
視界に入らなくても同じ部屋にいるだけで、同じ空気を吸っていることになるし、同じ匂いを嗅いで、同じ音を共有して、質疑応答で言葉を交わし合う。
距離が縮まるに連れて、お互いの手を取り合い、そして──
「のぉおおおおおお!!」
妄想の限界を超えたはリビングを飛び出した。
階段を一段ずつ駆け上がり、自室のドアをバタンッと勢いよく閉める。
「へんったいっ!!」布団で顔面を覆って叫んだ。
呼吸が荒くなって心臓もバクバクする。
妄想でしかキスもエッチも分からないけど、の頭の中では傑くんとコトを致してしまっている。
傑くんが好き。
好きだから触られたい。
ベッドで溺れるように愛されたい。
こんなはしたないことを考えるのは変態の「処女」だからだ。
男の子同士はエッチな話しで盛り上がれるみたいだけど、女の子はどちらかと言うとエッチな部分ではなく、キュンキュンする健全な内容やこちらまで幸せになりそうなロマンティックな部分を話し、生々しい部分は口を閉じていると思う。
普通の女の子はエッチなことなんて考えていないのかもしれない。
エッチな妄想をする自分は汚い。
暇さえあれば妄想して、傑くんを見かけたときは興奮して、夜中に行き場のない妄想を発散していたりする。
だから私はメチャクチャけがれている。
「絶対へんな子だと思われた。……はあ」
もう少し静かに席を立ち上がればよかったと後悔する。
傑くんに似合うお淑やかな女性になりたいのに、自分でも呆れるほど落ち着きがないし、学習力のなさに自分自身でも嫌気が差す。
可愛く、落ち着きのある女の子になりたい。
きっと傑くんも呆れている。
情けないところばかり見せているから恋愛対象外なのだ。
コンコン
「。話をしたいんだけど、いいかな」
「っ……」
布団から勢いよく顔を上げ、傑くんの声に似た幻聴があのドアの向こうから聞こえてきた。
静まってきた心拍音が再び強く動きだす。
期待の眼差しを向けていると、傑くんは「開けてくれないかい」とが一歩踏み出す力になる。